ビジネスは「ルールを作った者」が最終的に勝つ

── なぜ楽天は5万円から始め、他は追随者になったのか

ビジネスの世界には、暗黙の真理があります。

「ビジネスは、ルールを作った奴が最強」

これは感覚論でも精神論でもありません。
歴史・制度・企業事例を見れば、極めて論理的な結論です。


私たちは常に「誰かが作ったルール」の中で生きている

ゲーム、スポーツ、ギャンブル。これらに共通するものは何か。答えは明確です。

ルールがなければ、存在しない。

  • サッカーにオフサイドがなければ競技は成立しない
  • ポーカーに配当ルールがなければギャンブルにならない
  • 将棋に駒の動きの制限がなければゲームにならない

では、社会はどうでしょうか。

「人を殺してはいけない」
「隣人を愛しなさい」

これらは神が決めたように語られますが、実際には宗教という“思想システム”が定義したルールです。
そして国家が法律として罰則を与えることで、ルールは強制力を持ちました。

つまり、

社会とは、ルールを設計し、運用してきた結果の集合体

です。


ビジネスも「最初にルールがある」ものだけが成立する

スポーツやゲームと同じく、ビジネスもルールが先です。

にもかかわらず、多くの人はこう考えます。

「とりあえず始めてみて、あとで考えよう」

これは失敗の典型パターンです。

ルールなきビジネスの末路

例えば、料金が決まっていない定食屋。

  • 知り合いだから無料
  • 金を持っていそうだから10万円
  • 女性は800円

論外ですが、実際のビジネス現場では形を変えて頻発しています。

特に多いのが、

  • コンサル
  • Web制作
  • デザイン
  • コーチング
  • 情報商材

原価が見えにくいサービス業です。

一時的に儲かることはあります。
しかし、必ずこうなります。

  • 価格の妥当性が説明できない
  • 顧客ごとに条件が変わる
  • 信用が積み上がらない
  • 紹介が生まれない

これは「商売」ではなく、場当たり的な取引です。


楽天はなぜ勝ったのか?──答えは「ルール設計」

ここで、象徴的な事例を挙げます。

楽天は最初から「月額5万円」だった

2000年前後。
インターネットはまだダイヤルアップ回線の時代。

「ネットでショッピングモールを作る」

今なら当たり前ですが、当時は無謀に近い挑戦でした。

その楽天が、オープン初期から掲げた条件はこうです。

  • 初期無料なし
  • お試し価格なし
  • 月額5万円固定

売れるかどうかも分からない段階で、です。

この意思決定を行ったのが、創業者の三木谷浩史氏です。

なぜこのルールが強かったのか

  • 出店者の本気度が担保される
  • 安売り競争に巻き込まれない
  • 「価格=価値」という認識を市場に刷り込める
  • 後発が必ず“楽天基準”で比較される

結果として、後発のECモールはすべて
「楽天より安い」「楽天より柔軟」
というフォロワー戦略に追い込まれました。

そして現在。

  • 日本国内のECモール市場で
    楽天を超える存在は未だに現れていない
  • Amazonは成功しているが、
    そもそもモールモデルではない

つまり楽天は、

市場の“遊び方”そのものを定義した

のです。


ルールは誰でも作れる。守れる人は少ない

重要な点をはっきり言います。

ルールを作ること自体は、誰にでもできます。

しかし、

作ったルールを、自分が守り続けることが一番難しい

  • 売上が苦しいから値下げ
  • クレームが怖いから例外対応
  • 知り合いだから特別扱い

この瞬間、あなたは自分で作ったルールを破っています。

社会でも、ビジネスでも、ルールを破る人は一定数います。

しかしビジネスでは、

ルールを破った側が、必ず信用を失う

これは例外がありません。


結論:ビジネスで勝ちたいなら「先にルールを作れ」

ビジネスで成果を出したいなら、やるべきことは明確です。

  1. 最初にルールを設計する
    • 価格
    • 条件
    • 提供範囲
    • やらないこと
  2. そのルールを絶対に守る
  3. 後発が従わざるを得ない基準を作る

ビジネスは「努力した人」が勝つ世界ではありません。ルールを作り、守り切った人が勝つ世界です。

これは理想論ではなく、楽天が証明した現実です。