社会人のための効果的なプログラミング学習法
私がプログラミング学習を始めたのは2000年ごろです。
当時は現在のように、情報が整理され、容易に入手できる環境ではありませんでした。
最初はHTMLから始まり、Flash(ActionScript)、Perl/CGI、CSS、JavaScript、コマンドプロンプト、PHP、MySQL、MTML、Shellコマンドなど、業務上必要になった技術をその都度習得するという形で学習を進めてきました。
結果として現在では、中〜大規模のWebサービスであっても、設計から開発までを一人で完結できるレベルに到達しています。
なお、大学では社会学を専攻しており、いわゆる文系出身です。
ITスキルはすべて独学であり、専門学校に通ったり、体系的な教育を受けたりした経験はありません。
もちろん、実務の中で多くの技術者から助言やヒントを得てきました。
ただしWeb分野においては、教育現場の理論よりも、実務で培った知見の方が価値を持つ場面が多いと感じています。
この分野で20年以上仕事を続けてきた経験があるからです。
IT・Webの世界では、新しい言語、フレームワーク、開発手法が継続的に登場します。
一つの技術を習得すれば終わり、という世界ではありません。
現在であれば、Pythonは非常に汎用性の高い選択肢です。
AI分野にも、業務アプリケーション開発にも対応できます。
20年前には、今のようなAIもスマートフォンアプリも存在していませんでした。
技術環境は、この20年で劇的に変化しています。
最近習得したスキルの一つがAWSです。
クラウドインフラのデファクトスタンダードであり、機能の幅と専門性は非常に高い。
AWSを使いこなせるようになると、かつては高額なコストと長期間を要したサーバー設計が、低コストかつ短期間で実現できます。
さらに拡張性が高く、保守・運用負荷も大幅に軽減されます。
現在、自宅でサーバーを構築・運用している人は、一部のマニアを除けばほとんどいないでしょう。
20年前は、それが一般的でした。
当時は実現できなかったことが、今では簡単に実装できます。
このような技術進化の中で、社会人にとって重要なのは「何を、どの順番で学ぶか」です。
実務に直結する学習ステップ
私がこの20年間、一貫して実践してきた学習ステップは以下の4つです。
- とりあえず手を動かす
- 既存の成果物を分解し、構造を理解する
- 不明点を調査し、仮説検証を行う
- 最後に書籍で体系化する
この順序が極めて重要です。
多くの人は、最初に書籍を読み、理解してから実装しようとします。
しかしこの方法は、社会人にとっては非効率です。
時間がかかり、途中で挫折するケースも少なくありません。
例えば、自転車や自動車の運転を学ぶ際、理論書から読み始めたでしょうか。
まずは「操作する」ことから始めたはずです。
1. とりあえず手を動かす
最初から実装します。
すると、必ず課題が発生します。
この課題を一つずつ解決するプロセスこそが、最短距離での習得につながります。
実際に手を動かさなければ、課題そのものが見えてきません。
「どうすれば解決できるか」を考え、試し、修正する。
この反復が、スキルとして定着します。
2. 分解して構造を理解する
いわゆるリバースエンジニアリングです。
HTMLやCSSは、この方法で効率的に習得できます。
既存の成果物を分解し、構造や意図を理解したうえで組み直す。
この作業は、設計力を高めるうえで非常に有効です。
現在はGitHubやQiitaなどに、質の高いサンプルコードが数多く公開されています。
社会人にとっては、ゼロから作るより、優れた実装を読み解く方が学習効率は高いと言えます。
3. 不明点を調べ、仮説検証する
不明点は調べます。
現在はほとんどの情報がインターネット上に存在します。
検索しても答えが見つからない場合は、
- 検索ワードが適切でない
- 前提知識が不足している
このどちらかです。
関連情報を収集し、仮説を立てて検証する。
エラーが変化した場合、それは前進している証拠です。
同様の問題に直面した人は、ほぼ必ず存在します。
もし見つからなければ、その領域においては先行者ということになります。
4. 最後に書籍で体系化する
最後に書籍を読みます。
ここで初めて、知識を体系として整理します。
書籍には、標準化された設計思想やセオリーがまとめられています。
自己流で身につけたスキルを補正・最適化する役割を果たします。
最初に読むよりも、実務経験を経たあとに読む方が、理解度と定着率は圧倒的に高くなります。
これらの学習を20年以上継続した結果、HTML、CSS、JavaScript、PHP、Perl、SQL、Python、Linux(CentOS)、各種デザイン・動画ツールなどを業務で扱えるようになりました。
現在はプロデュースやマネジメントを担う立場ですが、システム開発については今も部分的に関与しています。
デザインの感性は若い世代に学ぶ部分が多い一方で、技術と実務の経験値は、20年かけて蓄積される明確な資産です。
社会人にとっての学習とは、趣味ではなく投資です。
だからこそ、「順番」と「実務との接続」を意識することが重要だと考えています。

