バルタザール・グラシアンの賢人の知恵
最近、本屋で本を買うことがめっきり少なくなってしまったのですが、休みの間に久しぶりに本屋に涼みに行ったとき、
偶然面白い本を見つけて、思わず買ってしまいました。
何に一番ひかれたのかというと、アルトゥール・ショーペンハウエルやフリードリッヒ・ニーチェ、森鴎外などが絶賛したといわれ、
欧米では、マキヤベリ『君主論』と並ぶ不朽の名著として、今も読み継がれているという紹介文にもはやノックアウト気味で、
中をぱらぱらと見てすぐさまレジに向かいました。
ヨーロッパで400年語り継がれる最強の処世訓といわれるその内容は、かなり合理的な考え方のように思えますが、
言われると確かにそうだなぁ…と深く納得します。
はじめ、バルタザールと聞いて、新約聖書の「東方の三博士(Magi)」の一人かと思ったのですが、違ったみたいです。
バルタザール・グラシアンは、17世紀のスペインで活躍した著述家であり、イエズス会の修道士でした。聖職者という立場でありながら、
冷静な視点で現実を見つめ、思慮分別と洞察力を持って物事に向き合う姿勢は、400年たった今でも必要とされるところが多いようです。
自信を高めるという意味においての自己啓発に関する本は、今もなお出版され続けていますが、そうしたものは一過性のものがほとんどで、
こて先だけの啓発か、もしくは何かの焼きまわしのものばかりです。その時は、それでもいいのかもしれませんが、時代が変われば、
そうした価値観も変容してしまいます。
特に、めまぐるしい速さで移り変わる現代においては、それは顕著に表れます。
そんな時代だからこそ、こうした普遍的な哲学が、また見直されるでしょう。
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