価格と価値
「価格は売り手が決めるもの、価値は、買い手が決めるもの。」
当たり前のことのようですが、意外とこれが出来ていません。
そればかりか、全くその逆を演じているケースも多くあります。
「価値を売り手が決め、価格を買い手が決める。」
どういった状態かというと、
客:「これ、高いよね」
売:「じゃ、安くしますよ」
客:「0000円だったら買うかな」
売:「では、その値段で・・・」
こんなやり取りが、まさにそのケースに当てはまります。
そもそも、元の価格は何故その値段だったのか?
仮に元の価格が10,000円だとします。
どういった商品やサービスでも、背景には原価や手間がかかっています。
(※売価=粗利だとしても、その背景には手間はかかっています。ということは、人件費はかかっています)
経済活動では当たり前のことも、現場では意外と当たり前には行われていないのが現状だと思います。
特に日本においては、急激なインフレの後、デフレの時代が長すぎたため、「いいものをより安く」というスローガンが席巻してきました。
そして、いつの間にか「安くて、良い物しか売れない」という強迫観念になっていったのです。
しかし、もう一度、価値と価格について思い出してみてください。
「価格は売り手が決めるもの、価値は、買い手が決めるもの。」
買い手は、価格を決めているのではなく、昔も今も、価値を決めているだけです。
先ほどのケースで言うと、
客:「これ、高いよね」
売:「そうなんですよ。実は、他と違って〜〜云々〜〜なんですよ。」
客:「へぇ〜そうなんだ。だから、こんなにしちゃうのか。じゃ、一つもらうよ。」
売:「ありがとうございます。」
という流れにも出来ます。
高いか安いかはそのお客様の価値観が大きく左右します。その価値観の背景には、可処分所得や予算、収入といったお金に関するものがあります。
収入や使えるお金が少ない場合は、その金額の中でやりくりする必要があるので、その金額をオーバーした時は、買うのを躊躇うか、そもそも買いません。
しかし、その場にいて、「これ、高いよね」と言うような人は、過去にそうしたことを言うことによって、安く手に入れられた経験があるとか、その商品・サービスの価値についての理解が少ない場合に言われます。
ブランド品は、既にお客様に価値が約束されているため、価格においては売り手が決めています。
「高いから、安くしろ!」というお客様には、やんわりとお引き取り頂くのです。
売り手の人が
- 自分の扱っているものはブランド品では無いから・・・
- それほど価値のあるものでは無いから・・・
と思っている場合、価値を自分で下げているのです。
あくまでも価値は買い手が決める事で、決して売りてが決めるものではありません。
ブランド品の多くは、その考え方が徹底されているからブランドなのです。
ブランドだから、価値があるのではなく、価値を下げないからブランドなのです。
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