企業格差
同じ仕事をしているのにもかかわらず、賃金に大きく差が出るということを知っているでしょうか。
これは、企業規模による格差ですが、規模が大きいほど賃金がよく、規模が小さいと賃金が少ないというものです。
実態調査の結果もあります。
職種別、企業間賃金格差の残酷な実態 [月刊チャージャー] – Yahoo! JAPAN PR企画
同じ仕事といっても、実は仕事の規模が違うのです。最も違うのは、受注金額でしょう。
大企業と中小零細企業とでは、同じ仕事だとしても受注金額がまったく異なる場合があります。大企業はブランド力があり、ブランド力があるということは、購入以前より顧客に信頼されているわけで、その信頼料が上乗せされている分、金額も高いわけです。
一般的に、民間企業のサラリーマンの生涯賃金は3億円といわれているそうですが、実質的に3億円を得るとなると年俸1000万円で30年間です。
果たしてどうでしょうか?
大企業では、それは可能ですが、中小零細企業ではまず不可能です。何より、給与の原資となる資金がない。といっても、社員が働いていないわけではないんです。むしろ、大企業のサラリーマンよりも長く働いているのです。もちろん、規模にかかわらず、一生懸命働いている人はいるでしょうが、パレートの法則を当てはめると、大企業だとしても2割の人だけで会社の8割の利益を上げているのです。たとえば、1000人の会社だとすれば200人がとてつもない利益を上げているから残りの800人は、新橋あたりで一杯ひっかけて帰ることができるわけです。
逆に100人の会社だと、20人、50人規模だと10人、25人だと5人、10人以下の会社はもはや社長一人が頑張らないと何ともなりません。
しかも、規模に応じてできる仕事も限られてきます。100人規模の会社と1000人規模の会社とでは、そもそものステージが違うのです。同じ仕事といっても仕事の仕方だけであって、根本的に規模も質もまったく違います。その点が、企業格差を生み出す原因となっているわけですが、これが最近では顕著になってしまっているのではないでしょうか。
特に、こうした時代ですから、これまでお付き合いしていた中小企業同士は、もつれ合うような形でどんどん目減りしていくでしょう。企業倒産件数で上がってくる企業のほとんどは、中小零細企業です。大企業が倒産となれば、大ニュースになるわけですからそれがなく、倒産件数だけが報道される理由を考えるとすぐにわかります。
(たとえば、最近だとリーマンブラザーズとか)
「大企業でも倒産する時代になった」などといわれたのはもう10年も前になりますが、だからと言ってどこの大企業も経営が危うくなったかといえば決してそうでありません。
特に、サブプライムローン問題が浮上する前までは、景気が回復されたとまで言われたぐらいです。その実感をもっていたのは、大企業だけです。
これがまさに二極化の現象です。
アメリカの啓蒙家などがよく使う文句に「持てる者はますます富み、持たざる者はさらに失う」という聖書の1節があります。
これはまさに一つの真理ですが、より多くを求めようと考えている人がどれだけいるかが、結局すべてを左右しているのです。