Teamwork
仕事を進める上で、最も大切なものの一つにチームワークが挙げられます。様々な場面で使われる言葉ですが、組織にとってベストチームというのはいったい何でしょうか?
仕事のチームワークでは、野球やサッカーなどのスポーツがよく例として使われますが、その組織にあったチーム編成でなければ、意味がないのではないだろうかと思います。
野球のチーム編成でサッカーをするには人数が足りませんし、サッカーのチーム編成でバスケットをするには多すぎます。
その組織にあったベストチームは、仕事の進め方によって違っているのではないでしょうか。
私が考えるチーム編成は次の3つです。
- 野球型
- サッカー型
- バスケット型
どのチーム編成が最も良いチームかという話ではなく、どういった仕事であれば、最適か?というところに焦点を当てます。それぞれメリットとデメリットがあります。
- 野球型
…攻守の役割が明確。エースが一人だけいても4番がいないと勝てない。 - サッカー型
…役割が明確。自分のポジションで自分の仕事をしっかりと行うことが必要。1点取るためにメンバーが集中しなければならない。 - バスケット型
…攻守の両方をこなさなければならない。大量に得点を取る必要がある仕事には向いている。
野球型のチーム編成が必要な組織は、特に製造業などに向いていると考えています。いくらいいものを作っても、販売する人やルートがなければ、せっかく作ったものが市場には出ません。いくら150Km/時の剛速球を投げられる人がいても、試合に負けることもあるのです。
サッカー型は、プロフェッショナル同士がかかわり合うようなプロジェクトを運営するのに向いています。プロジェクトの達成という目標に向かって、全員が意識を集中させなければなりません。しかも仕事をまわしていくことは、サッカーのパスに似ています。そのプロジェクトをまとめる司令塔のような存在は不可欠ですし、その人がプロジェクト(ゲーム)を組み上げていくわけです。
バスケット型は、小さい組織で威力を発揮します。特にベンチャーなどでは、人を雇い入れることもそう簡単にできないため、ある程度なんでこなせるような人を必要とします。また、バスケットは試合展開も早く、常に動きまわっていなければなりませんが、それはあのコートだからできるわけです。しかも野球やサッカーよりも短い時間で区切ります。(1ピリオド=10分×4ピリオド)
私自身、ベンチャーで仕事をした経験があるので、はっきりとわかりますが、何でもやらされます。そこに、野球の4番バッターがやってきても困るのです。当たればでかいですが、当たらない時は、いるだけコストになるわけですから。細かくても確実に点数を決められる人が必要なのです。(もちろん、守りもできないとだめです)
こうして見ていくと、会社の成熟度合いによってもチーム編成を変えていかなければなりません。
- バスケット型…成長期
- サッカー型…隆盛期
- 野球型…成熟期
事業立ち上げのときは、2,3人で何でもこなさなければなりません。しかし、おわかりの通り、バスケットはかなり体力的に厳しいスポーツです。ですから10分で区切って4回までというルールを決めているのです。もしこれを1時間半も続けていたら、選手はバテバテになってしまいますし、怪我も誘発します。スポーツのルールとは安全に競技が進められるよう設計されているわけです。
ですから、事業の見込みが見えてきたら、サッカー型の組織へチーム編成していくことが肝要です。バスケットは5人でしていたスポーツですから、サッカーをするには、ほかに6人は最低必要になってきます。そこで、採用活動を行っていくのです。
しかし、成熟期になると、今度は野球型の組織に改編しなければなりません。となると、9人しか試合には出れませんから、2人余分になります。その余った2人をどうするかは、経営者の判断です。補欠で残ってもらっていいわけですが、企業は補欠を雇っておくほどお金が潤沢にあるわけではありませんから、辞めていただくことも必要となってきます。
この3つのチーム編成は、そのほかにも取り扱っている商品やサービス、業種業態によって当てはまるかどうかは変わってきます。ずっとバスケット型で進めていかなければならない業態も存在しますし、どんなプロジェクトを遂行するにも、サッカー型が望ましいでしょう。成熟している会社だとしても、野球型ではうまく業務を遂行できないケースも考えられます。(企業の成熟度を何で測るかにもよりますが)
これからの時代、戦略よりもこうしたチーム作りが重要視されてくるのではないでしょうか。
野村監督のエースの品格を読んで、強く感じました。
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