DX化が進まないわけ

DX化が進まないわけ

DX先進国デンマーク

デンマークでは、政府や自治体サービスにおいてもかなりデジタル化が進んでいると言われています。

早稲田大学総合研究機構電子政府・自治体研究所が発表した「第18回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2023」によれば、3年連続世界一だといいます。

特徴としては、日本のマイナンバーと同じようにデジタルIDが提供され、様々なサービスがデジタルで処理できます。

パスポートの24時間受付などはもちろん、国民投票などもデジタルで行える仕組みがあります。

DXの教育や啓蒙活動も活発なのだと思いますが、それ以前にデジタル庁の立て付けが違うようです。

日本の場合は、内閣府の下に存在しますが、デンマークは財務省の下にデジタル庁を設置しているといいます。その関係で、予算組をする際にもデジタル化が前提となり予算化される仕組みが出来ているのです。

DXは国家戦略として位置づけるため、各国様々な取り組みや活動が取り沙汰されていますが、浸透率としての背景には、インフラ及び利用状況、サービスの充実度など様々な観点があります。

日本の状況

早稲田大学総合研究機構電子政府・自治体研究所が発表した「第18回早稲田大学世界デジタル政府ランキング2023」によれば、日本は11位です。この位置が高いか低いか基準値をどこに持ってくるかによって異なります。10以内ではないので、低いと見るのか、66各国の中で11位と見るのかによって見方が変わるからです。

以外だったのは、ドイツ、ノルウェー、スウェーデンよりも高いということでした。

ちなみに、日本は18年間10以内だったのに、初めて10位圏外漏れてしまっています。

調査結果の中で日本の課題について言及されていますが、デジタル庁の役割と権限の実効性に課題が指摘されています。

要するに、デジタル庁がうまく機能していないということの指摘です。

デンマークの立て付けを例に取ってみると、様々なデジタル投資をする上で必ず予算が必要となってきますが、予算面では心配しなくても良いということも言えます。

また、都道府県や市町村単位はデジタル格差が広がる一方で、地方に行けば行くほどデジタル化が進まない現状があります。

DX化が進まない最大の原因は高齢社会

スマホでQRコードを読み込むことすら出来ない高齢者が、地方には多くいます。

つい先日、とある会でSNSセミナーをしましたが、その際に参加した人の半分は70歳以上でした。

正直、不安しかありませんでしたが、その不安はすぐに的中。

SNSを利用する以前にスマホの使い方もままならない人がほとんどでした。

この状況は、おそらく一部の地域で起こっている問題では無いと思います。

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高齢者の多くは、デジタル技術が普及する以前に育っており、スマホやパソコンなどの技術に不慣れです。また、新しい技術を学ぶためのリソースや機会が限られているため、利用する機会もありません。

また、視力の衰えや手の震え、反応速度の低下など、身体的制約が操作を難しくしています。普通に考えても、デジタルと老人の相性はよくありません。

日本は、世界に先駆ける高齢社会です。

どこよりも高齢化が進み、どこの国よりも高齢者の割合が多い国です。

偉い人がいつまでも辞めない

また、こうした高齢者が役職を降りないことで政治や経済が停滞している状況も否めません。

日本の国会議員の平均年齢は、G7諸国の中で最も高くなっています。

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2023年12月14日現在、日本の国会議員の平均年齢は、衆議院議員が55.5歳、参議院議員が57.6歳です。

衆議院議員の平均年齢は、2021年10月の衆議院選挙で前回選挙より0.8歳上昇しました。政党別では、自民党が56.9歳、立憲民主党が54.7歳、共産党が62.3歳となっています。

参議院議員の平均年齢は、2022年7月の参議院選挙で前回選挙より0.3歳上昇しました。政党別では、自民党が58.7歳、立憲民主党が56.9歳、共産党が60.0歳となっています。

議員の年齢が、ますます高くなっている現状は、日本という国をそのまま映し出しているようにも感じます。

また、日本と世界、G7先進国とで生産人口(14〜64歳まで)の全体に占める割合を表にまとめてみました。

2023年2050年予測
世界56.30%48.70%
日本52.50%39.40%
G7諸国53.70%47.90%

2023年時点で、すでに1%も少なく、2050年には生産人口が40%をきると予測されています。

高齢者とデジタルとの相性がすこぶる悪いことを踏まえると、DXは年々低下してくことが予想されていきます。

日本がこの状況を打開する方法

デジタルと高齢者との相性がすこぶる悪い一つの要因としては、自分で処理しなければならないということがあります。

デジタルは、理解できる人は利用できるが、わからな人はおいていかれてしまう。

生まれたときからタブレットやスマホを使っている人とは違うのです。人生の終わりかけにポッと出てきたものが、自分のこれからの人生を左右されると言われたらどうでしょう?もう、あと死ぬだけだから、いまさらやる必要もないと考える人もいるでしょうし、お金を払えば誰かがやってくれると思う人もいるでしょう。息子や孫を当てにする人もいます。

今の高齢者、実のところこうした現状があるので、まだ恵まれていると思いますが、これからの高齢者は単身世帯が中心となっていくので、誰に聞くことも出来ず都会で人知れず死んでいくような状況になりかねません。

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打開する方法があるとすれば、自発的なAIサービスです。より人間のコミュニケーションに近いAIサービスが会話中心にやり取りできれば、こうした問題などを解決できるのではないでしょうか?

今のAIはまだ、チャット形式で自発的なコミュニケーションは出来ません。聞かれたことには答えられますが、相手への配慮などはありません。とても機械的です。

日本人の察する心をAIに組み込むことができ、なおかつ、高齢者にとって老後のパートナーとして利用できるような介護支援型AIがこの状況を打開する一つの方法として考えられます。