量子コンピューターとAI

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ここ数年AIの技術が逆的に進歩しています。
ビジネスにおいても話題の中心にAIが出てきています。
またAIに関する書籍も多数発行され、まさにAI元年と言うにふさわしい年に2017年はなるでしょう。

このブログでも、部屋についての記事を過去に2つほど書きましたが、AIについていろいろ勉強していくうちにどうやら加速度的に今年は進化がありそうな予感がします。

昨年はAIの技術の中でディープラーニングが話題を呼びました。
ディープラーニングは、深層学習と訳され人間の脳の構造を模したAIの学習法で、古くから研究はされていました。しかし、深い層に入って行けば行くほど、情報の劣化が起き、取り出したときには違うものにもなっているか、全く取り出せない情報になってしまうと言う問題がありました。
それを解決し、実用的なレベルまで引き上げたのが昨年の出来事でした。

ディープラーニングの技術について非常に革新的な手法だと思いますが、今のコンピューターでは、あくまでも仮想的な手法でしかなく、ディープラーニング本来の実用性を50%ぐらいまでしか引き出せないのではないかと思います。

そこでひらめいたのが、量子コンピュータとAIの組み合わせでした。

これはかなり画期的なひらめき!だと思ったのですが、ネットで調べたらもうすでに量子コンピュータAIを販売している会社があるではないですか・・・。

やっぱり天才はいますね。

量子コンピュータAIを販売しているのは、カナダのベンチャー企業D-Wave

すでにロッキード・マーティンやGoogle、NASAなどが導入しています。

研究者の間で量子コンピュータは、技術的にだいぶ先の話だと言われていました。そんな中D-Waveが128量子ビットの量子コンピュータを発表しました。当初は誰もが偽物だと思っていたそうですが、ロッキード・マーティン、Google、NASAでその実用性が実証され本物の量子コンピュータだと今は認識されています。

D-Waveの量子コンピュータは量子アニーリング(量子焼きなまし法)を用いて「組み合わせ最適化問題」に特化しています。
今のコンピュータはなんでも出来る代わりに、組み合わせ最適化問題には向いていません。
組み合わせ最適化問題」を説明する時よく用いられるのが、「巡回セールスマン問題」とか「中国人郵便配達問題」などが上げられますが、複数の訪問先を最短で回るための経路を算出することと考えるといいです。

巡回ポイントが10ぐらいなら良いのですが、巡回ポイントが20を超えた当りから天文学的な巡回経路が出てきます。
ちなみに、巡回ポイント20の場合、6京800兆の経路数になってしまいます。日本を代表するコンピュータ「京」でだいたい6秒ぐらいで算出してくれますが、巡回ポイントが30になると、現存する最速のスーパーコンピュータですら、計算が終わるのに1401万年かかります。要するに、拠点数が増えれば増えるほど計算が終わらないという問題です。

D-Waveが開発した量子コンピュータは、この「組み合わせ最適化問題」にのみ特化したコンピュータなのです。
どちらかというとゲーム機に近いような気もしますが・・・

ロッキード・マーティンがなぜ「組み合わせ最適化問題」を処理すなければならないかというと、飛行経路の最適化を行うためためだそうです。その他、組み合わせ最適化問題の処理で得られる恩恵は、今後ますます増えていくことが予想されます。

D-Waveが開発した量子コンピュータは、量子アニーリングを用いていると先に記述しましたが、この量子アニーリング(量子焼きなまし法)は、東京工業大学の西森教授らが発表しました。西森先生もまさか自分の理論を実現する企業が生まれてくるとは思っていなかったようです。

量子コンピュータAIは今後多くのことを私たちにもたらしてくれることは間違いありません。

 

参考: