インターステラーを見る前に

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先日、クリストファー・ノーラン監督のインターステラーを見てきました。

感想は、おそらく見方によって異なると思います。

一見すると、父と娘の愛の物語。事実、終盤、泣けてきました。

でも、ガリガリのSF映画です。

特に描写については科学的根拠が見え隠れする為、事前知識があると、その世界観や描写についてより楽しめます。

ちなみに、インターステラーに出てくる数式は、アメリカの物理学者キップ・ソーン(Kip Stephen Thorne、1940年6月1日 – )が監修されたちゃんとしたもの。

このキップ・ソーンという人は、重力理論、ブラックホールなどが専門。

抑えておきたいポイントはいくつか有りますが、次元とブラックホールは少なくとも抑えておきたいところです。

まずは、次元のお話。

以下の図は、アメリカの情報サイトWIREDのインターステラー特設ページに掲載されていた5次元までのイメージです。
nolan_landing_recirc.jpg

  • 1次元=線(LINE)
  • 2次元=平面(PLANE)
  • 3次元=空間(SPACE)
  • 4次元=時間(TIME)
  • 5次元=多元宇宙(Multiverse)

と書かれています。

次元の解釈にもよりますが、おおよそそんな感じです。多元宇宙はあくまで仮説で、平行宇宙などとも言います。よくSFものには出てくる割と定番的な考え方です。

今我々が存在している宇宙とは別に宇宙が存在するという考え方です。

量子力学では11次元必要と考えられていたり(超弦理論)、次元は無限だという解釈もあるため、4次元以降は想像の域を出ません。

だって、だれも観測できませんから。

ちなみに、4次元は今いる宇宙であるため、時間を加えた空間のことを4次元と言ったりします。しかも、時間は後戻りできません。それは、我々が生活している中でも実感し、観測できていることですが。

この辺りは、要素として抑えておきたい部分です。

また、ブラックホールについてですが、これは、映画の監修にブラックホールの権威の一人がいるため、かなり描写は正確です。

映画館で見るとその迫力に感激します。

特に事象の地平面や特異点については、よく描かれていると思います。

事象の地平面とは、周囲は非常に強い重力によって時空が著しくゆがめられ、ある半径より内側では脱出速度が光速を超えてしまいます。この半径をシュヴァルツシルト半径、この半径を持つ球面を事象の地平面 (シュヴァルツシルト面) と呼びます。

ブラックホールは、あくまでも天体であり自身の重力によって空間に落ち込んでいるようなもので、わかりやすく言うと、体重200kgを超える人がトランポリンの上に座った状態。

一般的な人の体重からするとかなり大きいですが、ブラックホールの場合は特異点と言われる部分では重力が無限になるそうです。

重力が無限になるわけですから、普通に考えると、その中に入って観測することは不可能です。だって、重力によって押しつぶされてしまいますから。

もし、ブラックホールに入って観測することができたら、おそらく新しい次元の発見にも繋がるかもしれません。

そして、より高い次元を認識できることで、また科学に新しい進歩が生まれるはずです。

ちなみに言うと、人類の歴史にも次元は大きく関与しています。

昔の人は地球は平面だと考えられており、それが一般的でした。2次元の時代。

それが、地球は動いているということを発見し、自分たちのいる世界は空間出会ったことを認識できるようになったのです。3次元の時代。

その後、時間の流れに差が生じる事を発見し、時間を認識できるようになったのです。4次元の時代。

ですから、5次元の時代も決して来ないわけでは無いということです。