Information technology is strategy on the business.
今回は、ちょっと長ったらしい英語のタイトルですが、言いたい事はただ一つ。
「ITはビジネス上では戦略である」
という事です。
別に英語にする事もなかったわけですが、SEO対策上わざとタイトルを英文にしたのです。
ここ数年、ITではなく、ICT(Information Communication Technology)と言われるようになりましたが、まだまだ田舎の方ではITと言った方が通じます。ICTなんて言うと、聞いた人が、キョトンとして「また難しい事を言っている」と思われるので、あえてITと記述していきます。
私自身も、これまではITはツール(道具)としてしか見てきませんでした。利便性が上がれば、効率も上がるだろう・・・という安易な考えが、このツールとしてのITという概念を定着させていったのかもしれません。
しかし、実際はいくら便利なツールが有ろうとも、それを活用するだけの土壌がなければ利用価値はマイナスになります。ここでポイントなのは、ゼロではなく、マイナスだと言う事です。
なぜマイナスになるのか?というと、うまく活用できないITほどコストと労力を蝕むものはないからです。
それだったら、始めからしない方がいいのでは?と言う人もいます。
それも一つの答えだと思います。
今やITを無視してビジネスをしてこの先10年先、20年先を生き残っていく事ができるでしょうか?
ただ、そうは言っても何をすればいいのかよくわからないというのが、現状です。
ここでポイントになってくるのが、冒頭で記載した「ITはビジネス上では戦略である」とう事です。
経営学や経営戦略についての書籍では、そこまで突っ込んで話しているものはあまりないでしょう。なぜなら、ITはあくまでも戦略を達成するための道具として見られているからです。
敬愛するP.F.ドラッカー先生は、「3.グローバルなIT時代」(P.Fドラッカーと考える21世紀の経営 ポッドキャストオーディオブックより)の中で、CIO(Chief Information Officer)の重要性を説いています。
情報を統制するという意味あいもありますが、それよりもIT自体が戦略と位置づけるのであれば、必ず必要なポジションであり、人材です。
そうした話は、大企業や欧米の企業だけだと考えている方は、この先確実に生き残っていけないでしょう。
経済産業省の資料に平成19年「通信利用動向調査」の結果というものがあります。昨年平成20年度の調査結果(平成20年「通信利用動向調査」の結果 )もありますが、ここでは一昨年の調査結果を見てもらいたいです。
実は、平成19年度より企業における利用の進展という項目が追加されました。そして、企業の利用進展における初回の調査結果では、以下のような内容がまとめられています。
<企業におけるICT利用の進展:新規事項>
- ICTの利用やICTに関する組織的取組みが進んでいる企業ほど高い労働生産性ASP・SaaSを利用している企業は12.6%。ASP・SaaSの利用、情報化投資の実施、情報戦略統括役員(CIO)の設置、従業員に対するICT教育の実施といった項目について、企業の労働生産性を比較してみると、ICTの利用が進んでいる、ICTに関する組織的取組みを行っている企業の方が労働生産性が高いという結果が得られた。[p20〜26]
一番、注目してほしい箇所にアンダーラインをかけておきました。経済産業省の資料の中で、ICT(IT)の利用が進んでいる企業は、労働生産性が高いと明記されています。
10%程度の企業が積極的な利用を行い、そして知的生産性を上げているわけですが、それを利用するにあたっては、従業員のITリテラシーがなによりも重要です。
それには、経営者がどれだけ理解しているかが鍵になってきます。故に、経営戦略の一部として考えるのではなく、経営戦略そのものとしてITをとらえていく必要があるというのです。
そこに気づき、既に活用してる会社が10%程度というのは、日本にとっては妥当な数字なのでしょうが、世界で見た時、果たしてそれで良いのかどうか?
特に中小企業がより労働生産性を高められるよう企業努力をしなければ、本当に生き残る事は難しいでしょう。
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