ルドルフ 赤鼻のトナカイ

ルドルフ 赤鼻のトナカイ

もともとは、童話だった

クリスマス時期、ジングルベルと並んでよく耳にする曲といえば、「赤鼻のトナカイ」

もともとは、1939年にロバート・ルイス・メイによってRudolph the Red-Nosed Reindeer(ルドルフ 赤鼻のトナカイ)として書かれた児童書でした。この児童書はベストセラーとなり、1948年にジョニー・マークスの作詞作曲でクリスマスソングになりました。

ロバートの妻イヴリンが、癌で病床に伏せているとき、当時4歳の娘バーバラのために読み聞かせした話がともになっています。

バーバラはシカゴ動物園の鹿が大好きだったことから、ルドルフという鹿を主人公に据えたと言われています。

ユダヤの教え?

ロバートも妻イヴリンもユダヤ人です。

ユダヤの教えの中にはこうした童話や物語の中に、教訓めいた内容を含ませているものが多く、このクリスマスソングにもそうした教訓が含まれているのではないかと感じます。

日本語の歌詞では、サンタクロースがトナカイを励ますニュアンスになっていますが、原作はあくまでもトナカイのルドルフの物語です。

英語の歌詞にはルドルフの名前が出てくるので、原作通りのニュアンスですが、日本語の歌詞ではルドルフの”ル”の字も出ません。

歌詞の意味・和訳(意訳)

Intro.
You know Dasher and Dancer
And Prancer and Vixen,
Comet and Cupid
And Donner and Blitzen.
But do you recall
The most famous reindeer of all?

みんな知ってるトナカイの名前
ダッシャ-にダンサー、プランサーにヴィクセン
コメットにキューピッド、ドナーにブリッツェン
でも思い出してみて
一番有名なトナカイの名前を

Rudolph the red-nosed reindeer
Had a very shiny nose
And if you ever saw it
You would even say it glows
All of the other reindeer
Used to laugh and call him names
They never let poor Rudolph
Play in any reindeer games

赤鼻のルドルフ ピカピカのお鼻をもっていた
君も見たらきっと光ってると思うかもね
ほかのトナカイ達は 笑って悪口さえ言っていた
一緒に遊んでさえくれなかった

Then one foggy Christmas Eve
Santa came to say
Rudolph with your nose so bright
Won’t you guide my sleigh tonight?

ある霧の濃いクリスマスイブ
サンタが来て言った
「ルドルフや、その明るい鼻で道を照らしてくれないか?」

Then all the reindeer loved him
And they shouted out with glee
“Rudolph the red-nosed reindeer
You’ll go down in history!

仲間のトナカイ達はルドルフを見直して
歓喜の中こう叫んだんだ
「赤鼻のルドルフ、お前は歴史に残るトナカイだよ!」

赤鼻のトナカイ Rudolph the Red-nosed Reindeer

日本語の歌詞

真っ赤なお鼻のトナカイさんは
いつもみんなのわらいもの

でもその年のクリスマスの日
サンタのおじさんはいいました

暗い夜道はぴかぴかの
おまえの鼻が役に立つのさ

いつも泣いてたトナカイさんは
今宵こそはとよろこびました

<引用:新田宣夫『赤鼻のトナカイ』より>

本当に伝えたかったこと

日本語と英語の歌詞では、日本語は1音に対して1語なのに対して、英語は1音に対して1単語なので、盛り込める情報量がぜんぜん違うのです。

これは、日本語訳をした人が、子供にもわかりやすく親しみやすい内容を重視した為で、日本でもこれほど人気のクリスマスソングになったのはまさに訳した新田氏の力量かと思われます。

ただ、みんなと”違う”ことで落ち込んでいたとしても、いつかその”違い”が人の役に立つということは伝えています。

英語の歌詞は、物語通りに伝えていますが、日本語の歌詞はその要素だけを圧縮しています。

その結果、クリスマスソングとしては有名になりましたが、その裏側に隠されたメッセージが薄れてしまったようにも感じるのです。

なぜ、アメリカでベストセラーになったのか?

そこには、人種の違いや貧富の差など様々な違いを抱えている国だからこそ、共感を得る人も多かったのだと思います。

この歌が入ってきた当時の日本は、単一民族国家のためそこまで”違い”を意識することはなかったのかもしれません。

参考サイト

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E9%BC%BB%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%8A%E3%82%AB%E3%82%A4

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BBL%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%82%A4

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95_%E8%B5%A4%E9%BC%BB%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%8A%E3%82%AB%E3%82%A4

http://www.worldfolksong.com/christmas/topic/reindeer-rudolph.html

http://www.worldfolksong.com/christmas/song/rudolph.html