ステルスマーケティングの本当の問題点
「ステマ」などと略されて言われ、最近では、「食べログ」で問題視されたのでどのようなものなのか容易に想像がつくと思います。
ステルスというのは「隠れる、こっそりする」という意味でよく軍用機などで耳にしますが、同じ意味です。
広告戦略の一つで、マーケティング用語でもありますが、日本では昔からあるサクラを使った宣伝方法と同じことです。
余談ですが、なぜサクラというのかを調べてみたら、どうやら江戸時代からサクラは存在していたようです。現在のように偽客として使われるようになったのは明治に入ってからのようですが、そもそも日本では古くからある手法で、詐欺罪が適用されるおそれもあります。
一般的にはあまり良い方法とは言えない手法ですが、消費者が情報を発信できるようになった現在においては、どこまでがヤラセで、どこからが本当のクチコミなのか?匿名で投稿できる情報サイトではどこでも想定されている問題です。
ステルスマーケティングと似たような手法で、バイラルマーケティングなるものがあります。いわゆるクチコミマーケティングなどと呼ばれる手法で、クチコミを意図的に派生させるというサービスも実際に存在します。
やり方としては、ブロッガーと呼ばれる自分のようなブログを趣味で書いている人たちに、自社の商品やサービスの話題を書いてもらったり、アルファブロガーと呼ばれる1日に何万アクセスというブログを書いている人に商品やサービスについて書いてもらいます。アルファブロガー以外はどれくらいその商品やサービスについて書かれているかという量を重視します。
純粋にブロッガーを集めてバイラルマーケティングを実施するサービスも存在しますが、100名ぐらいの女子大生などを集めて、小遣いを握らせてヤラセブログを大量に生産している所もあります。
前者と後者とでは、何が違うのか?
また、バイラルマーケティングについてはTwitterが登場してからより活発化していると言われています。しかし、ヤラセやサクラ問題のない方法なのか?と疑問をもたなければなりません。
ただの宣伝だけを集めたアフィリエイトサイトのようなところでは、たとえアクセスがあったとしても見ている人からの信頼度は低いです。実際にユーザーが欲しているのは、情報の有用性や情報の価値なのです。
こうした中で、掲載されている記事が広告か本来の記事かわからないような状況を、情報発信する側も良としない風潮が高まってきています。
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という形で広告と記事とを明確に分ける手法がアメリカを中心に増えてきました。
CNET Japan
ギズモード・ジャパン
どちらも、アメリカの情報サイトの日本版ですが、そうしたところではすでに上記のような対応がなされており、サイト自体の信用度を保ちつつ、広告を発信するという手法を使っています。
ヤラセやサクラといったものは昔から存在しており、さほど珍しい話でもないのですが、どちらにしても情報を発信する側の誠意が無いために起こってしまう問題です。
また、ビジネスにおいてはグレーゾーンが一番儲かるということも、この現象が証明しています。損はしなくとも、儲からなかったら誰もやりません。ただ、このビジネスが果たして儲かるビジネスモデルだったのか?どうかは甚だ疑問ではあるのですが。
もし、僕がこの手のビジネスモデルで儲けようと思ったらフルコミッションで、売上の半分を握らせ、元締めをやります。例えば、月10万円の料金で5件の書き込みを行ったとします。全く食べずに書くのも難しいので1回くらいは食べに行くかもしれません。
月10万円の半分を本人の取り分にして、残り半分を会社の取り分とします。すると、社員数を増やせば増やした分だけ会社は儲かります。モチベーションをあげさせるために、トップ3位ぐらいまでに報奨金を出しても良いかもしれません。これは、完全な営業会社のやり方です。
また、もう一つ考えられるのは、出来高制のバイトを使うという方法です。1件あたり1万円として、月に5回書き込みをするだけで1万円がもらえます。実際に食べに行っても構いません。そうすると、バイトは1回くらいは食べに行くと思いますが、残り4回は行かずに書く方法を考えるでしょう。
この方法は、マネジメントが重要になってくるので組織的に運用しなければなりませんが、フルコミッションよりも件数はこなせる様になります。営業でとった案件をバイトの子達に連絡して、お店に行ってもらうかクチコミを書いてもらうだけですから。
どちらの場合でも、営業が肝になってきますが、果たして1人の営業がどの程度新規を獲得できるものでしょうか?打率が1割以下だとはっきり言って儲かりません。しかし、問題になっているぐらいだと、それよりも打率はよかったのだと推測できます。
そう考えると、ヤラセ業者も問題ですが、それを許容してお金を払った飲食店にも問題があるのではないでしょうか。
こうした現象は、見えない潜在的な要望がサービスという形になったと考えれば、その土壌を生んだ飲食店、そしてそのサイト運営に問題はなかったのか?
実はそのことこそが、本当の問題点なのです。
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