食品消費量と外食産業の関係性
総務省統計局には実に様々なデータがあります。
また、インターネット上にもほんとうに様々なデータがあります。
それらのデータを見ながら、市場分析も行いやすくなってきました。
まさに、インターネット時代の賜物だと思います。
多摩大学の大学院教授である田坂広志先生の著書にプロフェッショナル進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まる (PHPビジネス新書) があります。
個人シンクタンクの時代が来たということですが、それをもたらしているのはインターネットなのです。その検索の仕方や処理の仕方をうまくすれば、個人シンクタンクとして様々なデータ解析や分析も容易にできるということです。
というわけで、ちょっと面白いデータと関係性を考察したので、ご報告いたします。
山形市内におけるカレーの消費量とインドカレー店の出店件数についてです。
実は、カレールーの消費量について山形市は全国で常にTOP10入りを果たすほどカレー好きです。
まずは、2007年のカレールーの消費量については全国で第3位(カレールーの年間消費量より)
2004年〜2006年までの世帯ごとの年間平均消費量も山形市が第3位(宇都宮のカレールーの消費量より)
2013年は8位(カレールーの消費量の都道府県ランキング平成25年より)と若干順位を落としますが、翌2014年にはまた5位(カレールーの消費量の都道府県ランキング平成26年より)と健闘を見せます。
カレールーの消費量日本一は諸説ありますのでここでは触れませんが、カレールーの消費量と人口比率においての相関関係が調べてみました。
検索でわかる最新のデータは、平成26年(2014年)ですので、そちらのデータを参照します。
- 高知市(2.63箱)
- 新潟市(2.48箱)
- 京都市(2.45箱)
- 大津市(2.44箱)
- 山形市(2.42箱)
なかなか接戦しています。
そこに、各市の人口を入れてみます。
- 高知市(2.63箱)336,958人 (推計人口、2016年2月1日)
- 新潟市(2.48箱)809,862人(推計人口、2016年2月1日)
- 京都市(2.45箱)1,474,410人 (推計人口、2016年2月1日)
- 大津市(2.44箱)341,418人 (推計人口、2016年2月1日)
- 山形市(2.42箱)252,255人(推計人口、2016年2月1日)
いずれのデータもWikipediaより
山形市以外はいずれも30万人を超える人口の都市です。
京都や新潟はむしろ人口比率で考えると高知、大津、山形よりも少ないぐらいです。
人口あたりのカレー好き度は間違いなく山形市が一番です。
以下は、分かりやすくグラフにしてみました。
グラフにしてみると、京都市は言うほどカレーは好きではないのかも??ということもわかります。
こんなにカレーが好きな山形市民は、基本家でカレーを食べます。カレー好きな背景については諸説ありますが、最も有力なものとして、3世代同居で人数が多いこと(2010年の国勢調査では一位)、共稼ぎ(2010年の国勢調査では全国一位で、2015年の国勢調査では全国二位)で、奥さんの負担が大きいことの2つが要因と考えられます。カレーだとみんな食べられて、多めに作れば一晩寝かせたカレーも堪能できます。
子供は次の日の朝もカレーでもOKです。
もう一つの要因として米の消費量が全国二位(米の消費量ランキングより)ということで、基本的に食事は米と味噌汁ですが、たまにカレーが出てくるわけです。そして、その頻度は、他の県に比べると多いのです。
こんなにカレーが好きなら、カレー屋をやってみれば流行るのでは?ということも考えられるのですが、カレー専門店で有名なCoCo壱番屋は市内に1店舗しかありません。以前は2店舗ありましたが、1つのみになりました。
また、CoCo壱番屋以外のチェーン店は皆無です。個人的にはゴーゴーカレーとかあればいいかと思うのですが・・・
しかし、不思議なことにインド系のカレー専門店は山形市内に6店舗あります
- 印度れすとらん カシミール
- ロイヤルインドレストラン 山形店
- 印度れすとらん カシミール
- INDIAN TOMATO
- SPICE MAGIC INDIAN RESTAURANT 山形店
- インド料理 JAY
これだけのインド系カレー専門店があるということはそれだけ需要があると言うことだと言えます。また、普通のカレー専門店は逆に需要が無いとも言えます。
これらのことを踏まえて導き出せる結論としては、山形の人はカレーが好きだが、外で食べるカレーは普通のカレーでは物足りなく、インド系カレーを好んで食べる傾向にある。
といえます。
こうした分析を行うと、食品消費量と外食産業の意外な関係性が見えてくると思います。
これは、山形に限らず、全国どのような市町村でもご当地性から見える、地元マーケティングといえるでしょう。
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