日本のインターネットの変遷 第1章 技術からメディアへ(2000-2010)

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FacebookやTwitter、LINEなどSNSの利用者が増加している昨今、ソーシャルメディアという言葉も使われるようになってきています。

進化し続けるインターネットが現在、どんな状況にあるのかを歴史的変遷を見ながら考えてみました。

まずは、2000年までのお話です。

インターネットの進歩は情報技術の進歩(〜2000年)

そもそもはアメリカの軍事技術(ARPANET)から始まり、その後大学間の情報交換へと利用されていきます。日本においても最もはじめ利用され始めたのは慶応義塾大学と東京工業大学の接続だと言われています。(Wikipedia:インターネット

はじめは、3つ、4つの大学間で利用されていたものが、全大学間で利用されるまでには15年以上の歳月がかかっていました。

ここまでは、学術利用という実に明確な目的があり、それ以外での利用はその当時考えつかなかったのかもしれません。

実は、今のアメリカのIT大手企業の創業者たちは、大卒者もしくは大学中退者ばかりです。しかも大学中退者は在学中にビジネスを起こし辞めたケースです。元々が学術利用から始まっているため、ある一定の知的水準レベルを超えなければ、ビジネスとして利用するという発想は出てこなかったでしょう。

インターネットが商用利用されるようになったのは、1990年代にはいってからでした。そのご、Windows95の誕生と1995年にNSFNetが民間に移管されたことで、インターネットは一般に広がっていきました。

日本においては、2000年に森政権下でのe-Japan戦略 を経てブロードバンドインフラを全国的に整備されました。結果的に、日本のITインフラは世界最先端のレベルになったのです。

この現象は、高度経済成長期におけるカラーテレビの普及と似ています。その後テレビを中心としたマスメディア全盛時代がやってくるわけですが。

メディアの時代へ(2000年〜2010年)

今まさに日本では、インフラが整備されてから10年経った状況なのです。

インターネットは単なる技術ではなく、メディアへと成長しました。ネットワークメディアと位置づけられますが、広告市場規模はすでに新聞広告を抜き去っています。(参考:インターネット広告市場規模)

広告市場というのは、メディアの規模を確認するのに最も分かりやすいひとつの目安です。商品やサービスをより多くの人に知ってもらいたいと企業は思っています。そして、どのメディアを使えば、より多くの人に知ってもらえるか?を常に調査し、考えているのです。

広告は無料ではないので、広告を出す側にとってはムダにお金を使うわけにはいきません。

なので、メディアの規模=広告市場と言えるのです。

電通が2012年2月23日に発表した最新の「日本の広告費」で発表されている数字では、2011年度は8,000億円を超え、まだまだTVCMの規模まではほぼ遠いものの、マスコミ四媒体のうち、新聞、雑誌、ラジオは完全に抜いている状況です。