ノルウェーと日本との違い

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以前、日本の労働生産性が先進国で最下位というブログ記事を書いたところ、常にアクセス上位にあるため、また関連記事を書かせてもらいます。

前回の記事では、第1位のルクセンブルグの産業構造の転換の事例を上げましたので、今回は、第2位のノルウェーについて話を進めます。

まず始めに押さえておきたい事は、ノルウェーの経済の実態は油田開発にあるという事です。ロシア、サウジアラビアに次ぐ世界第3位の原油産出なのです。

また、ノルウェーというと福祉の充実した国家として日本でも福祉事業のモデルとされていますが、そうした福祉の充実が行えるのも、実は油田開発があるからなのです。

北海で石油採掘を行っているスタートオイル社の発行株式の8割以上を国が保有しており、ノルウェーの財政に大きく寄与しているため、財政は安定していると言われています。

そうしたバックボーンのある国ですから、充実した福祉を実現する事も可能なのです。

ここが日本とは大きく違います。

しかし、その点を指摘する政治家はあまりいません。財源をどうするか?ばかりに論点が集中するあまり、そもそも、福祉事業自体運営できないのではないか?という事は話に上っては来ないのです。

よいところに学ぶというのは、日本人の勤勉さなのでしょうが、輸入するにあたっては、土台の違いを無視して形ばかり先行して輸入してしまい、後になって、問題だ!と言うのです。

西欧のレンガ造りの家が良いからといって、そっくりそのまま輸入した結果、2,3年も立たずに外壁は崩れ、もはや廃墟にしか見えない家になってしまったようなものです。(そもそも気候が違うため、湿気でボロボロになるのは当前)

それと同じ事を日本では、行っているのです。

日本人の勤勉さがもたらしたジレンマとでも言うのでしょうか?

ノルウェーと日本との違いはこれだけではありません。

現在、ノルウェーの財政は油田があるから潤っている訳ですが、石油は限りある地球の資源であり、いずれはなくなるものです。では、なくなったらどうするのか心配になりますが、その点は、しっかりと考えられています。

将来の石油・天然ガスの枯渇に備えて、原油売上による収益は原則として(2006年度予算では74%、2571億クローネ)「政府年金基金」として積み立 てられ(2006年1月に従来の石油基金と年金基金が統合改組された)、国際的な金融市場に投資されている。国家財政収支は石油以外の歳入だけで均衡する よう、歳出抑制策を実施しているが、なお石油基金からの繰り入れが大きな割合を占めている(2006年度予算では歳入9339億クローネ、うち石油から 3483億クローネ、石油以外から5856億クローネ、歳出は6768億クローネ)。
Wikipedia-ノルウェー より

将来の見通しも立ててあり、大盤振る舞いに見える財政も倹約的で、歳出抑制を行っていたりと、日本の国政とは大きく違います。

日本の場合は、大盤振る舞いの財政政策で借金をし、歳出は増える一方。将来の見通しは全く立っておらず、この先どうすればいいかわからないと不安になる若者は、結婚も出産もしない始末。

似ているところと言えば、漁業文化と捕鯨推進国というところだけでしょうか。