最後のマーケット
モノが売れない時代と言われ中でも、しっかりと稼いでいるところはまだまだあります。
顧客のニーズあったものを提供すればまだまだ、売れます。
それが出来れば・・・やっているよ・・・と言われるかもしれませんが、不況にこそ強いビジネスも実際あるのです。
また、不況に左右されないマーケットというものも存在します。しかも、まだまだ潜在的に拡大していく事が予測されます。
以前、野村総研(NRI)のポッドキャスティングでオタク市場の話を聞いた事があります。野村総研と言えば、日本でも屈指の調査会社で、その研究員はその分野では一流の人たちばかりです。
そんな中でも、真剣にオタク市場の分析を行っています。
実例を挙げれば、秋田では米とイチゴのパッケージにいわゆる萌えキャラを採用したところ、爆発的に売れました。
http://akita.keizai.biz/headline/453/
http://akiba.kakaku.com/hobby/0810/04/200000.php
http://aoinishimata.jugem.jp/?eid=673
手始めは「あきたこまち」で手堅い路線で行きましたが、それが思った以上の効果(実質5倍以上の売上)だったため、味をしめてしまったのかその後、他の商品にも萌えキャラパッケージが採用され始めています。
今年は、もっと出てくるかもしれません。
NRIの2004年度の調査結果では、4,110億円規模のマーケットが存在しているとあります。(http://www.nri.co.jp/news/2005/051006_1.html )この調査結果は、あくまで推計としてあげられ、オタクというより、マニア向けの市場調査になっています。旅行やファッション、自動車に対してお金を使う人がオタクと呼べるかどうかという点などを考え、コミック、アニメーション、ゲームだけにしぼってみると、1,240億円です。これに、同人誌なども加わるとだいたい1500億円程度が、オタク市場の具体的なマーケットになると思います。
また、昨年12月に発行されたオタク白書(こんなのあったんだ!?)では、より具体的な数字が発表されています。
白書によると、オタク市場シェアのトップはゲームで、市場規模は560億8,000万円。これは、オタク市場全体の30%にあたり、同人誌市場の約2倍になるという。その他のカテゴリーでは、出版が406憶7,000万円(21.8%)、DVD/CDが340億2,000万円(18.2%)、フィギュア・グッズ類が281億8,000万円(15.1%)、同人誌が277億3,000万円(14.9%)となっている。
ちなみに、対前年比102.5%(1,866億8,000万円)で確実に成長しています。1800億円というと、今期の日産の赤字に匹敵します。単独従業員数を3万人(連結で16万人弱)を抱え、世界に80拠点を持つ会社の赤字額とほぼ同じなのです。もう一つだけいうと、平成15年度のラジオ広告の総額が1800億円でした。(今はもっと減っているでしょうが)
この本を出版しているメディアクリエイトの分析では、ライトオタクの増加と、それによる市場の拡大があるのではないかと見ています。そもそも、ライトオタクの定義がよくわからないのですが、いわゆる「ぬるオタ(本気のオタクから見るとやっている事がぬるい人たち)」の事なのでしょう。
オタクをWikipediaで調べるとかなり研究されている領域だという事もわかります。(←おいおい)
ライトオタクなどという、たいそうな話ではなく、今の20代、30代は物心ついた時からアニメやマンガ、ゲームが日常の中にあったわけで、別にそれに対して抵抗感はないのだと思います。そして、少子化という問題が、それらの産業に危機感を持たせ、子供よりも大人にターゲットを当てた商品を出すものだから、どんどん拡大してしまっているのでしょう。日本の社会状況が変わらない以上、この流れは止める事は出来ませんし、拡大の一途を必ずたどります。
これからは、オタクだと馬鹿にしている人が、馬鹿を見るのかもしれません。
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