思考力を養う

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思考力という項目では、ヒントは出しましたが、結論は出しませんでした。

なぜ、答えを出さなかったのか?

それは、その答えがさほど重要ではなく、その過程が重要だったからです。

考えるということは結論を出す前にする行為ですから。

ヒントで将棋としたのには、理由があります。

将棋は100手先まで読むといいますが、これこそが考える力なのです。

自分が、ここにコマを進めると、相手はここにコマを進めるだろう…

そうすれば、次にここに打たざるを得なくなり、相手はそれを見越してここにコマを進めてくる。

ということは、その次の一手でこちらが詰められるわけだ。。。

このようなやり取りを頭の中で何度もシュミレーションをし、その選択肢の中から一つだけを選び行動する(コマを進める)わけです。(実際は、多くの詰将棋の状況(イメージ)を頭にインプットし、それと照らし合わせて決断をしているようですが)

それをほんの数秒、もしくは数分で行っているわけですから傍から見ているととても頭の回転が速いように見えるわけです(実際ものすごく早いですけど)

仕事においては、経験が長いほど、その場その場の対処が迅速で的確だったりします。それは、過去にあった似たような状況と照らし合わせて決断しているにすぎません。(この点を思うとすべての年長者を敬うことが必要になるわけですが)

では、過去に出会ったことのない状況に当たったときはどうするのでしょうか?

実は、これこそ考える真価が問われるのです。ただし、時間はまってはくれません。いかに早く決断し行動するかというあとの作業を思えば、のんびり考えている余裕などはないかもしれません。とすると、おおよそ見当をつけて決断するということが必要になってきます。

しかし、ここで重要なのは、なぜ?その決断に至ったかを明確に説明できなければならないということです。それができなければ、ただの思いつきだと言っても過言ではないのです。しかも説得力のある説明でなければなりません。一人で進めていくのであれば、思いつきでも十分かもしれませんが、仕事において一人でということは、まずありません。お客さんだったり、同僚だったり、協力者だったり必ず誰かがいて初めて仕事は成り立ちます。

未知の状況へ対応するための力、これこそが思考力だと私は、考えています。

ここ最近、思考や脳についての書籍が数多く出版されています。アマゾンで「脳」と検索しただけでも8,000件近く出てきます。茂木先生の関連書籍だけでも100冊以上もあるのです。

それに思考法に関する書籍は約900冊ありました。たぶん、一般的に売られている思考法や脳に関する書籍の数は10,000冊以上あることでしょう。

小難しい本から、簡単な話しまで様々ですが、人間は普段3%程度しか脳を使っていないという話は、TVなどで一度は聞いたことがあるかと思います。残り97%を使うコツなどは別に知らなくても、考えることさえ習慣化すれば知らず知らずのうちに使えてきたりします。

ヒラメキという経験をしたことがある方はどれくらいいるでしょうか?まさにこれは潜在意識をちょっとだけ引き出せた瞬間なのです。そのヒラメキを得るには、同じことを繰り返し考え続けなければなりません。考えるのも嫌になってきたころ、突然それは起こります。

毎回前置きが長くなってしまうのが私のくせですが、どうかお付き合いください。

これも、書きながらいろんなことが思い浮かんであれもこれもと書いていくと道草ばっかりの文章になってしまうといういい例かもしれません。こうした文章を読むと、考えがまとまっていないとな。と感じるでしょう。

考えるということは、言葉なのです。日本人であれば日本語で、アメリカやイギリス人なら英語で、フランス人ならフランス語で考えます。いろいろと難しいことを考えるようになってからもう10年以上たちますが、はじめのうちは考えをまとめることすらできませんでした。なぜそうなるのかとつきつめた結果、言葉を知らなすぎるということが分かりました。自分の考えをまとめるには、より多くの言葉を知らなければうまくまとめることはできません。

また、それを人に伝えるために文章化することもできません。

そこから本を読む習慣をつけました。学校の勉強はそこそこに、本ばかり読んでいた時期もあります。より多くの言葉や考え方に触れることによって、自分の考え方も昇華され難しいと思われるようなことに対しても立ち向かうことができるようになります。

思考力を養う上では、読書は最もよい方法です。考えることができる人にとっては、こんなことは当たり前すぎて何をいまさら偉そうに…などと思われるかもしれません。

そう思った人は、もう一つ別の思考法があることをお教えします。それは、数学です。数学はそもそも哲学をより分かりやすくするために使われた思考法の一つなのです。

ただし、数学を使って考える場合、気をつけなければならないのは、ひとつの答えを導き出さなければならないということです。複数の答えはありません。たとえば、複数の選択肢があり、その中から一つだけ選ばなければならない状況があったとします。そうした状況下では、言葉で考えるよりもはるかに便利です。