営業は心理学

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仕事柄、毎日いろんな人に出会います。そして、いろんな本を読んで、いろんな話も聞きます。

この前、神田昌典さんとソフトブレーン・サービス株式会社の工藤社長の対談テープを聞きました。

営業における神二人の対話ともいえる内容なので、いろいろと勉強になるところはあるわけですが、この二人の対話の中で、気づいたのは営業は心理学ということです。

その前からも、うすうすそうではないかと思ってはいたのですが、今回は、それが確信に変わりました。

優秀な営業マンほどお客の心をつかむのがうまいなどと言われますが、それこそ、心理学だということを裏付けている話ではないでしょうか。

しかし、実はそうした話はアメリカではすでに当たり前にずいぶん前からされていました。日本はかなりそうした部分では後れを取っているわけです。

お客さんの心がわかるというよりは、人の気持ちを理解できるかどうかというのがポイントのような気がします。

こういうことをすると相手はどう思うだろうなぁ~とか、こんなこと言うと、相手はどう思うだろうなぁ~などといった、相手の考えを予測する力を磨かなければならないと思うのです。

相手が喜ぶようなことを率先して行うと、相手はどう思うでしょうか?

  1. なんだ、こいつ、絶対裏があるなぁ
  2. こんなことしてもらって、ありがたいなぁ
  3. ここまでしてもらったら、何かお返ししなくちゃなぁ
  4. なんだ突然、気持ち悪いなぁ

これは、自分自身に対しての質問です。

こう思われると真っ先に思ったことは、たぶん実際にお客さんが思っていることです。

いいことも、悪いことも自分が思っていることは相手も同じように思っていると考えたほうがいいです。悪い感情を選んでしまった人は、自分自身がそうした感情を持っているからお客さんも同じ感情を受けてしまうのです。

仮に1を選んだとします。

これは、実際にあなたのお客さんがあなたに抱いている感情そのものです。「なんだ、こいつ、絶対に裏があるぁ」と思われてしまうのは、あなた自身がそうした態度を無意識のうちに取っているからにほかなりません。だから、あなた自身も無意識に選んでしまうのです。

自分自身の心理をうまくコントロールできるようになると、お客さんの心理も容易にわかります。そのために必要なことは、自分が健全な人間になることです。いい人になる必要はありませんが、健全な人になる必要はあります。

健全な人とは、考え方が前向きで健康的ということです。ネガティブで不健全な考え方の人は、病気にかかりやすかったり、何かトラブルに巻き込まれやすかったり、自分自身が犯罪を犯してい待ったりします。

人に信用してもらいたいと思ったら、まず人を信用することが大切です。人から愛されたいと思ったら、人を愛することが先決です。人にモノを買ってもらいたいと思ったら、相手から何か買ってみるといいでしょう。

「他人は自分を映す鏡」という認識を常に持っていれば、自分がした行動すべてを相手もなぞるようにしてくれます。それが、一つの心理です。

Give & Be Givenともいわれますが、自分が何かを得たいと思うのならば、まずは自ら何かを与えよということです。

これこそが資本主義の精神そのものです。順を追っていくと、プロテスタンティズムの精神が先にあるわけですが、その先にはキリスト教があるのです。そして、キリスト教の教義は、愛の教えです。与えることがキリスト教の根幹です。

相手のことを本当に思えば、相手が何をしてほしいかなどというのは容易にわかるもの。相手のことを思うというのは、愛がなければできません。誰かを心の底から愛することができる人は、愛を知っている人です。愛を知っている人は、人にも愛されます。

キリストは、愛を説きました。だからこそ今でも愛され続けているわけです。

そのあたりについてもっと詳しく知りたい方は、デヴィッド・R・ホーキンズ著書の「パワーか、フォースか―人間のレベルを測る科学」を見てください。

営業は心理学と先に結論を述べましたが、誰のとまでは言及していませんでした。

ここまでの話の流れで言うと、お客さんの心理になってしまいますが、実際は自分自身の心理です。相手の気持ちを理解することも大切ですが、まずは自分の気持ちを理解することが先決です。自分自身のことをより深く理解するためには心理学は最適なのです。

誰もが、相手の心理を理解しようと努めますが、結局何も分からずしまいです。なぜなら、そんなことをしても相手がどう思っているかを話してもらわなければ、わからないからです。人間がコミュニケーションをテレパシーではなく言葉によって行うため、話というのはとても重要なものなのです。

相手が、何でこんなことを言ったんだろう?と思った時、自分に置き換えてみるとすぐにわかります。自分が同じ立場だったら?同じ状況だったら?同じ環境で育ってきたとしたら?

それだけで相手の気持ちの半分は理解できたでしょうか。

残り半分は直接話を聞いてみないとわかりません。

ちなみに、心理学では統計をかなりとります。統計こそが心理学といっても過言ではありません。さまざまな統計データをもとに情報を整理し分析し、傾向を導き出していくわけです。

ですから、営業においてもデータをもとに情報を整理し、傾向を導き出して、それをもとに計画を策定し行動すれば、非常に合理的で効率的な営業展開ができるでしょう。