Reconcept

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本題に入る前に、まず、予備知識を入れておいたほうがいいかと思います。

今日は、概念についての話なので、まずは概念とは何かというところから…

概念(がいねん)、コンセプト:concept)とは、物事の総括的・概括的な意味のこと。ある事柄に対して共通事項を包括し、抽象・普遍化してとらえた意味内容で、普通、思考活動の基盤となる基本的な形態として頭の中でとらえたもの。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

引用した文章がかなり難解でしたが、コンセプトというと何となくイメージがつかめるような気がします。特に我々のような業界では、デザイン・コンセプトとかよく耳にする言葉ですから、意味を全く知らずとも何となくわかる人もいるでしょう。

僕が考える概念とは言葉です。

逆に、言葉こそ概念だと言ってもいいです。

言葉を研究する学問「言語学」に興味を持ち、独学していたときに出した結論の一つでした。

概念と言葉の関係性は、同義と言えるほど密接なのです。

Reconceptという言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、検索してみると意外と多くの結果が出てきます。Googleの検索結果では6,410件でしたし、Yahoo!では108,000件でした。(2008.07.07現在)

しかし、そのほとんどは英語サイトだったことは注目すべき点です。

今の段階では、日本ではそれほど一般的ではない言葉なのです。

日本語でも、「もったいない:mottainai」という言葉がありましたが、今では世界共通の言葉として知られています。そもそも、日本人以外で「もったいない:mottainai」という概念をもっている国はなかったわけです。

世界中では、英語や中国語をはじめ数多くの言葉が存在し話されています。ケセラセラという言葉がありますが、これは実はスペイン語のフレーズです。(Que sera sera/ケ・セラ・セラ)

また、長崎の特産品であるカステラはポルトガルから伝わってきたものですし、バッテラ寿司も見た目は押し寿司ですが、語源はポルトガル語なのです。

先のウィキペディアの説明の中に、

施行活動の基盤となる基本的な形態として頭の中でとらえたもの。

と、ありましたが、概念はただとらえておくだけでは何の意味もなしません。それを人に伝えることができて、初めて概念として世に存在し得るのです。

概念は意味の担い手である。一つの概念は複数の言語で表現することができる。例えば、「犬」という概念はドイツ語では ‘Hund’ と、フランス語では ‘chien’ と、スペイン語では ‘perro’ と表現される。概念がある意味で言語とは独立したものであるということが、翻訳を可能にする。つまり、同一の概念を表す様々な言語の言葉は「同じことを意味する」。

ここからが本題なのですが、タイトルのReconceptについては、日本語では、まだ適切な概念が存在していないといえます。

Yahoo!で検索してみると、高知のリフォーム会社やリフォーム関係の日本語サイトが出てきますが、僕の考える本質的な概念とは若干違うようです。

僕が考えるReconceptとは、「再概念」です。

もともとある概念を再度、概念化する作業のことを指しています。

簡単にいえば、もう一回考え直してみるということです。

リフォームや建築関係のサイトがかかってくることも実は納得がいくのです。ニュアンス的にはRestructure(再構築)に近いためです。ただ、言葉の意味合い的にはReconceptのほうが強いです。なんせ、形だけを変えるのではなくその意味あいすら変えてしまおうというのですから。

今の世の中で、まったく新しい概念はなかなか生まれにくくなっています。それは、これまで数多くの概念を先人達が作り上げてきたからなのです。

高度に文明が発達すれば、概念の多様化にも限界が生じてくるのです。

一見新しい物の見方のように見えるものが実は、Reconceptされたものだというのが結論です。

人類が有史以来2000年以上にかけて培ってきた概念は、今の豊かな生活を与えてくれました。しかし、人類はより進歩を望んでいます。人間は欲深き生き物なので、今よりももっと幸せになりたいのです。

それが罪だというのならば、人類の進歩は減速していくでしょう。しかし、自分の欲望と向き合い、そして正しい方向へと向かうことができるのならば、進歩はすべての人を満たしてくれます。

Reconceptによってそれまでないがしろにされてきた価値観やモノの見方が、もう一度見直されつつあります。知らない人にとっては、まったく新しいものに見えるかもしれませんが、知っている人にとってみれば、それはまさしく再概念なのです。