Emotional Intelligence

一般的には

Emotional Intelligenceは心の知能指数と言われ、自己や他者の感情を感知したり、自分の感情をコントロールする技術を測る指標等といわれていますが、定義はまだはっきりしていません。

でも、それが高ければ人間関係を円滑にすることができるのは、わかると思います。

基本的に学者の先生たちは、事象を難しくとらえ、難しい言葉を使って論文を書くのが仕事なわけですから、我々一般人にはピンとこないのも当たり前です。

しかし、それは考えすぎなだけです。もっとシンプルに物事をとらえようと思えば、いくらでもそれは可能です。

 

反応予測とコントロール

私が考えるEmotional Intelligenceは、反応予測能力です。

反応とはとは、ある出来事や動作などに対する他者の動作などの応答といわれています。

人は、意識的にしろ、無意識的にしろ常に様々なものに対して反応しています。

  • 朝目覚まし時計が鳴る→起きる
  • おなかがすいた→朝ごはんを食べる
  • 赤信号になった→止まる
  • 朝から怒られた→苛立つ
  • いらだちが抑えられない→ごみ箱を蹴る
  • ごみ箱を蹴る→ごみが飛び出す
  • その光景を見た→びっくりする

もちろん、これ以上の反応を自分自身が起こしていますし、周りにも起こしています。人間の反応は、大きく分けて内的反応と外的反応があるということは、この例からおぼろげにわかると思います。

自分自身の心理的反応の多くは感情によるものです。無意識的反応は反射として表れます。そして、自分の行動はすべて外的反応を生み出します。

これが、人間関係であり、社会はこうした個々人の反応によって形成されているのです。

あの人が嫌いだと思えば、実はその人も嫌っていたりします。なぜならそれが行動に表れていてその行動に対する反応が嫌悪感なのです。そして、嫌いだという感情自体は自己の心理的反応によるものです。なぜ嫌いなのかについては、いろいろと理由はあると思いますが、その原因は外的環境からのフィードバックが多いのです。

人に対して好意を持つことも、外的反応からのフィードバックです。他者が好意的に接してくれると、その人に対しての反応も好意的になるわけです。ですから、人から好かれたいと思っている人は、まず人に好意的に接することが肝要です。

しかし、期待した反応が返ってこないことも十分あり得ます。

たとえば、好きな人に好きだと告白しても、相手が嫌いだという状況はあります。

それは相手の反応を予測できていなかった、もしくは反応の予測に大きな誤差があった場合に起こります。

この現象はいわゆる「空気が読めていない」ことにほかなりません。最近の俗語的な言い方をすれば、KYといいます。

なぜ反応が予測できなかったのか、もしくは大きな誤差を生んでしまったのか。それは、自己を優先してしまったからです。反応の予測がうまい人は、まず他人本位で話したり、行動します。

社会生活は人の反応の上に成り立っているわけですから、相手の反応をまず先に考えると、自分が何をすべきかが見えていきます。それに合わせて行動すれば、特に大きな誤差などは起こり得ません。これは断言します。

しかし、反応が悪い方に向かっているときは、あえて良い方向に修正する必要もあります。これを行わないと、そのまま人の反応に流され、そして関係はより悪化してしまいます。

Emotional Intelligenceは、感情のコントロールといっていましたが、それこそが、人の反応を良い方向に修正するためコントロールにほかなりません。

人の反応についての予測とコントロールという発想であれば、簡単なアンケートによる計測が可能になります。

 

反応測定

たとえば、あなたはこんな時どんな反応をしますか?

  1. 上司に怒られた
    1. ムカつくが口答えはしない
    2. 反論する
    3. いきなり殴りかかる
    4. 素直に受け止め、悪かった点を見直す
  2. 好きな人ができました
    1. とりあえず告白する
    2. よく知るために尾行する
    3. とりあえず話しかける
    4. じっと見つめる

1は、わりと簡単だと思います。しかし、実際の反応はどうでしょうか?2については、難しいと思う人もいるかもしれません。でも、尾行はいけません。それを世間ではストーカーと呼ぶのです。とりあえず話しかけるぐらいが一番妥当でしょうが、実際最も効果があるのは、じっと見つめることです。

実は、相手の目を見るという行為自体が、相手に対して好意的であるという反応なのです。好意がなければ、まず、相手の目を見ません。嫌な上司や先生などに怒られているときは、まず相手の目を見ようとしません。それも反応として表れています。

日本においては源氏物語の時代から、相手の目を見ることが好意的反応だということは言われています。源氏物語にある「まぐわい」というのは、「目合」と書き、目を見て愛情を知らせることなのです。今では、そこから何段も飛ばしてしまって、いきなり男女の交際、果ては性交などという卑猥な意味になってしまっていますが、そもそもの意味は違うのです。

 

過剰反応

こうしたことを理解して、相手の反応を予測し行動できる人が、Emotional Intelligenceの高い人なのですが、突発的な事象に対しての反応は誰でも一緒です。

まずは、びっくりするのですが、そのあと自分に対して損害のあることに対してはすぐに怒りの反応が出てきます。そして、その事象を起こした人を激しく非難します。もしくは、言い争いになるでしょう。しかし、これは突発的な事故と一緒で、防ぎようがありません。いわゆる想定外の出来事がおこってしまうのです。毎日の反応を計測したわけではないので、はっきりとは言えませんが、確率的に飛行機が落ちる確率(1/200,000)と同じだとしても、反応回数が多ければ衝突する確率も高くなります。

いつも誰かと衝突している人は、神経過敏で人の倍以上は反応しているか、反応の度合が大きいため、確率が同じだとしても、そうした結果を生み出してしまうのです。

逆に、反応回数の低い人や反応の度合が小さい人は、「おとなしいよね。」とか、「何か、いつも反応薄いよね」などといわれます。

それがあまりにも過度だと、精神病といわれてしまうのです。(まぁ、実際、病気ですけど)

 

Emotional I

ntelligenceの高め方

Emotional Intelligenceの意味と、計測方法などについては、先に説明した通りですが、これは、後天的に伸ばすことが可能です。そもそも、先天的に高い人はいません。

赤ちゃんの反応は誰でも一緒なわけですから。いきなり成人で生まれてくる人がいない以上、スタートラインはみんな一緒なのです。

ちなみに、赤ちゃんの反応は・・・

  • お腹がすく→泣く
  • うんちをした→泣く
  • うれしい→笑う
  • 嫌だ→泣く
  • 好き→笑う

泣くか笑うしかないんです。

こうした反応を見て、お父さんやお母さんが、その子の面倒をみるわけです。はじめは、何をしていいのかわからないですが、次第に、何をしてほしいのかが自然とわかってきます。

これは、相手の反応予測ができるようになったからなのです。もう少し、子供が大きくなると、また違った問題が出てきます。特に好奇心が旺盛な3歳~5歳ぐらいまでは、ギャングのような存在です。赤ちゃんのころに比べて、この時期になると、反応のバリエーションが増えてきます。しかし、善悪の区別がつかないため、反応がコントロールできません。ですから、しかってやるのです。そうすることによって、反応をコントロールします。

健全な人間は、こうして年を重ねるごとによってEmotional Intelligenceを高めることができるのです。

しかし、そうしたことをせずとも、Emotional Intelligenceを高める人もいますし、飛びぬけて高い人もいます。

高めたい人はまず、身近な人に何かプレゼントをしてみてください。しかし条件があります。プレゼントは、相手が心から喜ぶであろうものに限ります。そして、相手の反応を見てください。

あまりうれしそうでなかった場合、次はもっと喜びそうなものをプレゼントしなければなりません。

かなり喜んでくれたら、また別の人にプレゼントをしてみてください。

それを繰り返すだけで、自然とEmotional Intelligenceは高まっていきます。