バナー広告とフリークエンシー

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Yahooをはじめとして多くのポータルサイトがリニューアルをしました。そのリニューアル後に大きく変わった点としては、トップページにある大きなバナーです。

このバナーこそがリニューアルの最大の目的だったとでも言われています。

Googleのアドワーズが登場して以降、PPC広告に押され気味ではありましたが、ここにきてバナー広告への気運がまた高まってきています。

PPC広告も発表当時は、たしかに爆発的な効果を生み出すキラーツールでしたが、現在、猫も杓子もPPCといわれるぐらいにその利用者数は年々増加しています。また、そうした増加傾向のおかげで、ネット広告のマーケットの底上げにもつながっています。

しかし、その半面で以前よりも高い費用対効果が得られなくなってきているのではないかという疑問の声も出始めています。PPC広告は、1キーワードにつき変動単価が決まり、そのキーワードのクリック数の合計金額が請求されるという仕組みですが、同じキーワードにお金が集中しやすいという側面も持っています。それによるデメリットは、人気キーワードはどんどん値がつりあがっていってしまうのです。

今のご時世、湯水のように広告予算を使えるところもそんなに多くありませんし、そもそも費用対効果をうたっているサービスなのに、ある一定の金額を超えると逆に費用対効果が悪くなってしまうのです。

PPCのデメリットという部分はこれまであまり語られてきませんでした。そもそも、デメリットが存在するということすら誰も考えつかなかったのです。

ただ、忘れてはならないのは、すべての経済活動においてパレートの法則は適用されるという事実です。もちろん、PPC広告も例外ではありません。ロングテール現象は、パレートの法則があってこそ初めて語られる現象であり、ロングテール現象だけが自発的に起こることはあり得ません。

PPC広告においては、広告予算にパレートの法則が適用されるわけです。予算を多く持っているほうが絶対に強いのは言うまでもありませんが、キーワードの単価がつりあがってしまったことによって、果たして費用対効果はあるのかどうかという問題も浮上してくるわけです。

もしかすると、バナー広告のほうが実質的には費用対効果が高いのではないだろうか?

そんな仮定を実証する話が、フリークエンシーという考え方です。少し前にフリークエンシーについての説明は書いていますので、ここでは深く掘り下げませんが、簡単に言うと、接触頻度のことを指します。

通常は、TVCMなどでも用いられる概念ですが、月間数十億PVを誇るポータルサイト(Yahoo! Japanなど)は、もしかするとTVCMよりもフリークエンシーが高いのではないだろうかとまで言われています。

最近のTVCMは、番組の山場にCMを持ってくるような手法がよく見られますが、これは視聴者の反感をかうばかりだけでなく、CM自体を見ないという行動へとつなげてしまっています。実質的な視聴率は、ビデオリサーチによるランダムサンプリングによって行われますが、結局はその時間帯にテレビをつけていたことだけしか測れません。

現在、ダルブスクリーンなどとも言われるように、テレビをつけながら、パソコンを立ち上げ、ネットを見ているというのはもはや常識。そうした状況下において、TVCMの正確な視聴率などは図ることはできないわけです。

それよりも、正確にPVが出せるインターネットのほうがスポンサーにとっては魅力的に映ります。

日本のポータルサイトはどうもYahoo! Japanに右ならえ的な風潮があります。ヤフーがやっていることは日本において正義なのです。

まさに、名実ともに孫正義ですね(笑