Cross Media Communication

クロスメディアコミュニケーション(Cross Media Communication)とは、クロスメディアによってコミュニケーションをより円滑に行う一つの提案です。

クロスメディア自体は、かなり最近の用語であり、業界内でしか使わないような気もします。また、一見すると和製英語のような感じですが、海外(特に欧米)でも一般的に使われている用語なのです。

しかも、実際のクロスメディアの定義は、あいまいで一般化された認識というよりは、だいたいこんなもんだろ?という抽象的な認識のほうが多く、会社や団体によって解釈の仕方が若干異なります。Wikipediaによれば、「クロスメディアとは、ひとつのコンテンツ・データを多用途として、複数メディアへ出力する手法」ということです。

では、メディアミックスとの違いは?そもそも、マルチメディアと言っていたこと何が違うの?とそもそも広告代理店がやっていることじゃないの?と思われる人もいるかもしれませんが、明確な違いは、「コンテンツ」にあります。

コンテンツとは、内容という意味ですが、クロスメディアに適したコンテンツとは、「良質なストーリー」と認識してください。コンテンツ・データというとかなり漠然としてわかりにくいですが、「いい物語」と言えば、わかりやすいと思います。

「いい物語」があれば、その物語を中心にいろいろな展開が容易に想像できるわけです。

日本で、クロスメディアが最も成功している一例は、アニメ・ゲーム産業でしょう。ひとつの良質な物語を中心に、複数のメディアへ出力する手法はまさに実現されており、海外でも高い評価を得ているわけです。こうした着眼点こそが、クロスメディアコミュニケーションを語る上で最も重要なファクターだと思います。

とすると、クロスメディアコミュニケーションを実現するために何をすべきか?ということに対する答えも見えてきます。

  1. 商品・サービスの選定
  2. マーケティング設計
  3. ストーリー作成
  4. メディアの選定
  5. メディア展開
  6. 効果測定

この一連の流れによって、クロスメディアコミュニケーションは実現します。(こんなことは、大手広告代理店が行っていることなんでしょうけれど)

まず行うことは、何を中心に持ってくるのか?ということと、それをどうしたいのか?(目的)結果的に売りたいわけでしょうから、どうやって知ってもらって、興味を持ってもらって、買ってもらうのか?という設計が必要になってきます。この設計を行わなければ、ストーリー自体作れません。この設計こそが、小説でいうプロットに当たります。

このプロットが明確かどうかで、ストーリーの質も変わっていきます。

そしてそのストーリーをどういうメディアを使って展開していくかを考えます。ただ、私の専門分野がWEBなだけに、どうもWEB中心に話が展開していく傾向はありますが…

こうして段階を経て進めていくことによって、予算配分も楽にできますし、先が見えやすいわけです。仮に、予算があまりないところであれば、期間を長く設定すればよいわけですし、逆に短期決戦であれば、かなりの予算をかけなければなりません。その辺をうまくバランスよく調整することによって、この手法に普遍性が生まれます。

「言うは易し、行うは難し」とよく言ったものですが、特別な話ではありません。やっている人もいるわけです。それを、ほかの分野に応用できるかどうか?の問題なのです。

ここで必要になるスキルとしては、推定する力です。しかも、誤差10%以下の精度が求められます。なぜなら、それ以上だとかなり結果に影響が出てくるからです。誤差が大きければ大きいほど予期せぬ結果が生まれてしまいます。それが良い方向に行けばいいのですが、必ずしもそうとは限りません。誤差50%を超えるようであれば、事実上失敗だと認識してください。

こんなことできる人はいるのか?と思われるかもしれませんが、コンサルタントはそれを行って飯を食っています。まさに、朝飯前。

できない人は、できる人にお金を払ってやってもらわなければなりません。その価値判断すらできない人は、先が見えています。