フリークエンシーとクロスメディアの関係性

NO IMAGE

フリークエンシー(Frequency)という言葉があります。

広告の接触頻度と言われ、特定の一人が、広告を見た回数とされます。見られた回数を重ねなければ広告効果が出ない商品については、フリークエンシーの数を重視する場合もあります。

広告の接触品が少なければ、認知されませんでしょうし、多すぎると飽きてしまうわけです。

インターネット広告に関しては、フリークエンシーは少ないほうがいいということも言われていますが、それは、クリックで測定している場合です。バナー広告では、むしろフリークエンシーを重視することが大切だと考えます。それというのも、テレビ広告や新聞広告は、フリークエンシーが増加するにつれて効果も高まると考えられており、バナー広告については新聞広告枠やテレビCMと同じ効果が得られます。

ちなみに、このフリークエンシーについては、日本よりアメリカのほうが先を行っています。だいたいマーケティングはアメリカが発祥なわけですし、こうした分野では最先端です。

インターネット広告の効果測定を専門とするダイナミックロジックは、多数の調査実績からフリークエンシーとブランド指標のノーム値を算出しています。それによると、ブランド認知率や購入意向率などは、フリークエンシーが多くなるほど高まっていくといいます。

インターネットの場合は、クッキーで判別できるためフリークエンシーごとに分析が可能です。2006年ごろデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとUSENが行ったインターネットCMの広告認知率調査によると、広告認知率はフリークエンシーの増加にともなって上昇してたという結果でした。

ただし、広告接触8回目あたりから上昇が鈍化して、13回目あたりからの上昇は見込めなくなっています。

フリークエンシーの増加と広告認知率、ブランディングには関係性があることは、さまざまな実験によって確認されていますが、ある一定の数値を超えると途端に広告の効果がなくなってしまうのも特徴です。

とすると、広告の最適な接触回数というものがあるのではないだろうかと考えるわけです。これが、フリークエンシーの最適化、Frequency Optimizationとでもいうのでしょうか。

名前はともかくとして、その数値に関しては重要です。どれくらいの接触回数が最適なのか?そのためには、どのような手法が最も適切なのか?など…

接触回数を増やすだけであれば、メディアをミックスさせてフリークエンシーをアップさせるというのが定石でしょうが、あまり接触回数が多すぎても逆効果になるわけです。

フリークエンシーを中心に話を進めてきましたが、フリークエンシーを語る上で忘れてはならないものに、「リーチ」があります。むしろこれはセットだと考えたほうがいいと思います。ちなみに、リーチとは、ある期間内にどれだけの人に閲覧されたかを示す値といわれています。

広告媒体によっては、フリークエンシーを重視するものと、リーチを重視するものとがありますが、この2つのメリットを両方使うことができればいいと思いませんか?

私は、それを可能にするのがクロスメディアなのだと考えています。クロスメディアというとまだまだ何と何を組み合わせるかというメディアを重視する傾向が強いと思いますが、そうではなく、効果を重視することによって、クロスメディアのマーケティング設計というものが可能になってきます。

そのためには、フリークエンシーとリーチをクロスさせるという発想が不可欠で、フリークエンシーとリーチの定量分析を行う必要もあります。

現状では、仮説の域を出ませんが、そうした仮説をたて実践していくことによっておのずと結果は見えてくると思います。