CONCEPT WORK
ホームページの制作において、プロと素人の違いは、コンセプトワークができるかどうかだと思います。
現在、企業ホームページの制作を主な仕事にしているわけですが、それ以前も趣味でホームページは作っていました。
趣味で作っているサイトのほとんどは、自分の技術力向上のための実験サイトで、見ていてもあまり面白いものではありませんし、コンテンツもコピペだったりするので意味がないです。いわゆるガベージサイトとでもいうのでしょうか。
たぶん、ホームページの作り方を知っている人は素人でも大勢いると思います。しかし、その人たちのサイトが全て世間一般に受け入れられるものか?というとそうではありません。
素人が作ったサイトは所詮、素人レベル。根本的な出来が違います。
そこには、コンセプトワークという作業を経ているかどうかというポイントがあるのです。
企業サイトは経営戦略の一環ととらえ、分析を行いマーケティング設計までを行っている会社はよっぽどでしょうし、そもそもそういうことができる人を雇えるだけの土壌が必要です。
コンセプトワークというとホームページのHowTo本などにも書いてありますが、あまり役には立ちません。それというのも、コンセプトワークのやり方だけであって、会社の背景までを考慮したものではないからです。どんな目的を持ってゴールをどこに設定するのかということも大切ですが、そもそもの問題として、そこにすら意識がない経営者も多くいます。
とりあえずほしいなどという仕事は、最終的にお客さんのためを思うのならば、本来受けるべきではないのかもしれませんが、こちらもビジネスでしている以上受けざるを得ないというのも現状です。
そうしたときは、最終的な落とし所をどこの持っていくかがコンセプトワークのかなめになります。
ホームページは、一度作って終わりというものではないということを念頭に置くことによって、継続的な改善を行わなければならないのです。むしろ、こうしたことは作る前から盛り込んでおく必要があります。
コンセプトワークの手法については、業者によっても違いますし担当者によっても異なるとは思いますが、その是非は置いておいて、私が行っているコンセプトワークの手法をご紹介いたします。
マルコ式コンセプトワーク
- SWOT分析で強みを打ち出す
最も売りになる部分は、自社 - サイトの目的を分けて考える
企業サイトの場合、以下の4つの目的しかありません。 - 目標設定を細分化する
目標設定の細分化というのは、最終的な目標を設定し、そこに行くための道筋を細かく段階で分けて作業を進めていくという方法です。たとえば、ホームページすらない会社で、ショッピングサイトを立ち上げていきたいという話があったとします。
この場合、ショッピングカートを作って納品という方法が最も多くの業者が行う手段だと思いますが、私の場合は、ショッピングカートは作りません。
なぜなら、ショッピングカートを納品しても運営する人がいなければ、何もならないからです。であれば、まずすべきはショッピングカートを作るのではなく、体制を作る必要があるわけです。と考えると次のような流れが見えてくるかと思います。Phase 1 サイト制作 Phase 2 業務構築 Phase 3 ショップカート構築
特に、2つ目のフレームワークが重要です。企業の規模と成熟度合いによって目的が変わってきます。
いうなれば、2つ目さえ押さえておけば効果のないサイトなどはできません。先にどこに目標を置くのかが重要です。私は、これを一休さんのとんちになぞらえ、
「屏風の虎を捕まえるには、まず虎を屏風から出さなければならない」
と言っています。
たいてい、お客さんというのは無理難題を言うものです。
「予算はないけど、あれもやりたい、これもやりたい。」とか、「もう何からすればいいのか分からない。」とか、「とりあえず何とかしてくれ」とか。「儲かるの?」とか。
そんなことを聞いているうちにあるとき、とんち比べのような感覚に陥って、この言葉を思いつきました。
コンセプトワークの手法については、まさに屏風の虎の捕まえ方だということです。
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