紙の上で考える

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情報を整理するとき、自分の頭の中で考えるとうまく整理されません。

自分の頭の中で考えられるのは、アイディアだけです。ただし、アイディアというものは、頭のなかにあるうちはとても良い物のように感じますが、一度外に出した瞬間から陳腐化していきます。

アイディアを外に出すというのは、一般的に紙に書くことをさしますが、それはブログであってもいいわけですし、何らかの文章や箇条書きなどでもかまいません。

そうした作業を経てもなお、陳腐化しないアイディアこそが、本当のアイディアなのです。

どんな仕事でも、知的生産を行う場合においては、常に良質なアイディアを求められます。そしてそれに応えられなければ報酬は得られません。

紙に書くことが良いアイディを作る上で最も良い方法であることは、さまざまな書籍で述べられている通りですが、それを実践している人はあまりいません。自分の頭の中だけで終わってしまうのです。

アイディアは、例えるならシャボン玉の泡のようなものです。

シャボン玉の泡は、すぐに消えてしまいますが、それを残す方法があります。その方法とは、写真を撮ることです。

もっとも単純で簡単な方法ですが、シャボン玉をそのまま残しておくにはどうしたらいいですか?という質問をすると、いろんな答えが返ってくるでしょう。それが考え方になるわけですが、その考え方自体も、豊富なアイディアの副産物であるのです。

アイディアを紙に書くこと自体は、シャボン玉を写真で撮っておくことと似ています。実際にシャボン玉を写真に撮ってみてください。携帯の写メでも十分です。写真の良しあしは画素数の問題もありますが、それよりも光の加減やタイミングです。ですから、素人でも100枚ぐらい撮れば、その中から1枚か2枚ぐらいはいいと思われる写真が見つかるはずです。

それを、アイディアで試してみるとどうなるでしょうか?

100個のアイディアを生むのには相当な時間がかかりますが、20個ぐらいであればどうでしょうか。1日20個のアイディアを考えてみると、1か月で約600個のアイディアになり、1年では7,200個、それを3年続ければ21,600個のアイディアが生まれる計算になります。

21,600個ものアイディアを整理していく時、どうやって整理しましょうか?

紙に書いておかなければ、うまく整理はできないでしょう。

どんな天才でも、どんなに記憶力がよくても頭の中でそれをしようとしてもそれはできないはずです。なぜなら、人間は忘れるように脳の構造ができているからです。

忘れてしまわなければ、次の情報が処理できません。そのあたりがパソコンの処理と似ています。

情報を整理するときも、紙の上で整理していくことは必要です。

紙に書くことの良さは、人に見てもらえるということです。人に見てもらうことによって、その人との認識を合わせていきます。でないと、後になって「そうは思っていなかった…」などという事態に陥るのです。

もっともシンプルなことですが、これがなかなかできません。

しかし、これが最も大切なことはみんな知っているはずです。