危機感

どうやら、危機感と自己の成長は相関関係にあります。

外的環境の中でも特に、他人との接点がそれを生み出すような気がします。特に、年下か同年代で自分以上の立場にいる友人や知人などからの影響は、大きいと思います。

年上の人が自分が優れているのは、むしろ当たり前という発想が根本にあるからかもしれません。

ただ、どんな人にも必ず優れている点はありますし、それを見つけるのも自分自身の人間力だと思います。人間力とは、人に与える影響と人から受ける影響の両方がありますが、どちらの場合も、その人の感性が重要です。
他人からその人の良さを引き出すには、理屈ではないような気がします。
相手がどう感じるかによって、相手が何を私に対して出せるかと考えさせることによって、それは可能となります。

大学生の時、ある講義の中で「他人は自分を映す鏡である」という話がありました。それ以降、その言葉がえらく気に入り、自分自身を見つめなおすとき、他の人を通して自分を見るようにしています。
人それぞれ、私に対するとらえ方は違いますが、それはすべて自分自身であり、自分が知っている以上の自分がそこには存在します。

また、ある社長は、「自己の成長を、今かかわっている人たちではかる」と言っていました。どんな人たちとかかわっているかによって、自分自身の成長が分かるというのです。
たとえば、大企業の社長や政治家などとかかわっていれば、それだけ高みにいるという考え方です。

確かに、それはひとつの真実かもしれません。自分の内面特に人格を磨くことによって、より高い位置にいる人たちと同じ感性を持てるわけですから。むしろ、同じ感性を持っているからこそ、そうした人たちとかかわることができるのでしょう。

目標や目的を持っている人は、それらを持ち得ない人たちよりも危機感は高いと思います。なぜなら、そうした人たちは、今の自分に満足しておらず、常に目標に向かって前進しているからです。
それは、外的な要因よりも自分自身に対する内的な要因といえます。

しかし、重要なのは、危機感を持つことではなく、危機感を持ったときにいかに行動するかというところです。危機感だけを持ち続けることは、精神に多大な負荷をかけ、病んでしまいます。危機感には行動が伴わなければ、実質的な成長にはつながりません。

「このままではだめだ」と感じたとき、どうしますか?
1.どうすればよくなるかを考える
2.どうすればよくなるのかと悩む

一見同じようにみえますが、この2つは全く違った結果を生み出します。この2つの大きな違いは、取り組む姿勢です。
1.ポジティブな姿勢
2.ネガティブな姿勢

それは、行動する意思があるかどうかということによって分かれます。
1.行動する意思がある
2.行動する意思がない

これをまとめると以下のようになります。
1.どうすれば現状より良くなるのかを考えるときは次にすべきことが見えてくる。
2.どうすれば現状より良くなるのかと悩む時は次にすべきことが見えてこない。

何をすべきかが明確な時は、誰も悩みはしないわけです。

危機感を持つことが確かに大切ですが、自己が成長するかどうかについては、その後の行動にかかってくるというのが、最終的な結論です。