クソゲー白書

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正月は、面白い番組もなく家でだらだらとゲームをしている人なども多いでしょう。
時間があるときは、少しでも本など読みたいものです。

そこで、今日は、白書つながりで、ちょっと変わった本のご紹介。
その名も「クソゲー白書

クソゲーという言葉を知らない人のために簡単に解説をすると、「クソッタレなゲーム」というやや下品な言葉の略語です。ファミコンがこの世に現れて以降数多くのゲームが様々なゲーム会社により発売されました。
名作と言われるものは、その中でもごく少数。パレートの法則に従えば、全体の20%ぐらい。そこからまたミリオンセラーを記憶するとなるやはりもっと少ないでしょう。

昔、あるゲーム会社の専務から、「正直、ゲーム制作は儲からないよ。」と聞いた事があります。

ゲーム産業全体としてみれば、ヒット商品などはごく少数で、その陰では多くの売れないゲームがあるのです。
まだ、売れないだけならいいのですが、なぜ販売してしまったのか?と。小一時間、制作元に問い合わせたくなるようなゲームも存在する訳です。これが私の考えるクソゲーですが、実際は個人的主観や個人的感情によってその分類は個人差がかなり生じます。(詳しくはWikipediaのクソゲーを参照

そんな訳で、この「クソゲー白書」で取り上げられているゲームに関してもかなり個人的主観と個人的感情に大きく左右されているのは間違いありません。

以下は「クソゲー白書」のRPG部門のランキングです。

RPG部問有効回答数 288票
1位 ロマサガ1 14票
2位 ファイナルファンタジー7 13票
2位 聖剣伝説2 13票
4位 サガ・フロンティア 11票
4位 ビヨンド・ザ・ビヨンド 11票
6位 ドラゴンクエスト6 10票
7位 アーク・ザ・ラッド 8票
8位 摩訶摩訶 7票
9位 天外魔境 第四の黙示録 5票
10位 アーク・ザ・ラッド2 4票

どうも、スクエア(現:スクエアエニックス)の作品が上位を占めているようです。これだけでもかなり偏った見方ではないでしょうか?
そんな訳で、批判もあります。すごいところでは、この結果に対して
統計学的仮説検定 を行っちゃっているサイトがあります。何もそこまで・・・と思ったのですが、暇だったんですよね。

こんな本誰が買うんだ?と思っていたら、Amazonで3件レビューがありました。

その一つを引用します。

アンケートの集計結果に基づく著書ですが、そのアンケートの内容はというと、
「あなたがクソゲーだと思うものをあげ、その理由を書いてください」
それだけです。
なんと完全自由記述。
こういうのは「単純」とは言いません。
一人当たりの票数も決めていないので、400人から回答を得て、有効回答数が1059件。
さらに、それを120の分類に分けています。

これでは、統計的に有意差と認められる信頼に足るデータにはなり得ません。

ゲーム別総合ランキングでは、最多得票でも16票、28位には4票で22個並んでいます。
原因別総合ランキングに至っては「その他」が栄光の第1位です。
一般的に「その他」は、いくらポイントが高くても最後に入れるものだと思うのですが。

しかも、その中には「バグがある」が圧倒的に多いそうなのですが、それならなぜ別に立項しなかったのか不思議です。
また、機種による分類もなされておらず、ファミコン版もアーケード版もPC版も一緒くたです。

更に、オリジナルと移植が区別されていないので、オリジナルが好評でも移植版を元に評価しているケースもあるのですが、それは本文を読まないと分かりません。
ジャンルの分類についても、「アクション」と「格闘アクション」を分けているのに、「恋愛シミュレーション」と「ウォーシミュレーション」を一緒にしているという不徹底ぶりです。

ゲームが製作された時代もバラつきが激しく、時代背景が全く考慮されていません。

強調にやたら拡大フォントを使うのは、ゲーム系Webサイトに多数見られるものですが、それは文章力のなさを誤魔化しているだけであり、プロのライターが商業誌でやるものではありません。

結論。
私はこの本を「出版界のデス様」と呼ばせていただきます。

ちなみに、最後の結論で出てきている「出版界のデス様」とは、デスクリムゾンと呼ばれるキングオブクソゲーにちなんでいます。

クソゲー愛好家の中ではもはや伝説とまで言われるほどのクソゲーです。詳しい説明はWikipediaにゆずりますが、この説明を読むと、ぜひ一度やってみたくなってしまう恐ろしい魅力も兼ねそろえています。

もちろん、この他にもバグだらけでよくこんなの販売したよな。というものが過去かなり出されてきました。

今のゲームはかなり完成されているので、こうしたバグだらけの危ないゲームの方が逆に面白みを感じるかもしれません。特に、ファミコン世代にはバグがむしろ裏技として使えたりするケースもあるため、より懐かしさを感じられるかもしれません。