ネットの社会学
テレビニュースで、インターネット関連による事件が報道さるようなってから久しいですが、もともと、そうしたニュースや社会問題は、
ありませんでした。ややもすると、インターネット自体が、何らかの事件に関与していると思われてしまうので、
テレビニュースの報道が事件や事故ばかりだからです。
しかし、インターネットがもたらしたものは、そうした社会問題ではなく、全く新しい社会です。
ベストセラーとなったWEB進化論をはじめ、多くのインターネット関連の書籍が出版されるようになっていますが、
インターネット自体を一つの社会としてとらえ、その切り口だけに絞ったものはまだまだ少ないです。
しかし、徐々にそうした書籍が出始めているということは、インターネットの深くかかわる人の間では、
インターネットを一つの社会としてとらえる見方が行われているからでしょう。
仮想現実という視点からいえば、そこに社会が構築されても不思議ではありませんし、すでにそうした動きは存在しています。
社会は、人間の関係性が形作っているとすれば、すでにインターネット上には、社会が存在しているといえます。
特に、その傾向は強まっています。
それまでは、単に情報を公開することが目的とされていましたが、現在は、
コミュニケーションを図る場としてのニーズのほうが高いからです。
仮想現実をより分かりやすいものとしたのが、Second Lifeとよばれるサービスです。あえて、
ゲームと言わなかったのは、それ自体がゲームの枠を超え、その環境下で社会らしきものを形成しているからです。
このサービスは、アメリカの本社を置く
リンデンラボ( Linden Lab )社が運営するバーチャル世界として500万アカウントを誇る世界でも有数のサービスへと成長してきています。
現実世界にも実存するデルコンピュータや、IMBがセカンドライフ内で記者会見を開いたという話や、
トヨタや日産が既にセカンドライフ上に土地を所有しているなどといった話もあり、企業戦略の一環として既に大手でも先進的な企業は、
このサービスを利用しています。
企業が参入してくるということは、その場で何らかの経済活動もしくは、実質社会での利益が見込めると踏んでいるからです。
日本語版のサービスは現時点ではまだ行われておりませんが、出資、運営企業が既に決まっており、現在は秒読み段階といったところです。
このサービスが軌道に乗ってくると、似たようなサービスが生まれ、インターネットの目的がまた変化してくると思われます。
他人とのコミュニケーションに重点を置くサービスが主流となっています。これは、
人と人との関係性を持つことのできる存在を人間とするならば、現在は、原始的な人間を形作っている段階といえます。
こうした関係がより広がりを見せ、多様な目的へと変化したとき、それは社会と呼ぶべきものへと昇華されています。
ただ、リアルと異なる点は、すべてにおいてプラトニックだということです。
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