SWOT分析は自社のためにこそある

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SWOT分析の手法などは、検索エンジンで調べればいくらでもわかりやすい情報が見つけられます。
細かい手法はあくまでもそちらに譲るとして、ここでは、その使い道と戦略の立て方について語っていきます。

「敵を知り、己を知らば百戦危うからず。」という孫子(「謀攻篇」)の言葉があります。「敵を知り、己を知れば、
百回戦っても負けはしない」との文字どおりの意味となり、競合調査も重要ですが、
なによりも自社分析こそが百戦錬磨になるために必要だということです。

これは、2000年以上も前から語られてきたことではありますが、今だにこの法則は変わりません。これに付随して「克己」
という言葉もあります。これは、「己に克つ」こと言いますが、欧米でも似たような言葉で「素人はライバルに勝とうとするが、
プロは自分に克とうとする」というものもあります。
要するに、自分自身を良く知り、自分の弱さに打ち勝つことができれば、負けはしないということなのです。しかも、この考え方は、
時代や地理など関係なく万国共通です。

ただ、自分に打ち克つためには、まず自分のことをよく知らなければなりません。そして、自分のことをよく知ることができたとき、
自分の弱さというものも見えてくるのです。

ただし、自分の弱さを克服することは最終目標です。そこを足掛かりにしてしまうと先には進めません。

ではどうすればよいのか?まずは、自分の強みを伸ばすことです。欧米の教育に見られるやり方ですが、
子供にはまず自分の弱点を克服させるのではなく、長所を伸ばすことをします。そして、その子が自分で弱点を克服しようと決めたときはじめて、
その子の弱点は克服されます。

弱点とは、自分ではとても手に負えないものなのです。それを自尊心がないままに克服させようとすると決して克服などできず、
そればかりかその子はつぶれてしまいます。

まずは長所を伸ばし、そして弱点を克服させること。それこそが、最も重要なことです。

それらのことを踏まえた上で、SWOT分析を行ってみましょう。

自分自身に当てはめれば、それは自己分析を的確に行え自分のやるべきことが見えてきますが、それは、法人(会社)
にとっても同じことなのです。

まずは、長所を発見し、それを伸ばし、自尊心が高まってから短所の克服に着手したほうがより的確に改善が行われます。