事例203

企業の概要
企業名:NEC
ネクサソリューションズ
株式会社
事業概要:システムインテグレーション、
アウトソーシング/ASP サービス、ソフトウェ
アの設計/開発/販売/保守など
設立:1974 年
本社所在地:東京都港区
資本金:8 億1500 万円
売上高:1275 億円(平成16 年度)
従業員数:2850 名
H P:http://www.nec-nexs.com/
ビジネスブログの活用内容
【活用の目的と方法】
1.ブログ活用の目的
背景:
- 当社では、社員一人ひとりが自ら考え行動することで個人および会社を成長させてゆくことを目的とした
「中期経営基盤改革プロジェクト」(略称:Kプロ)が2003年10 月よりスタートしていた。 - プロジェクトでは各部門から選抜された20名強の推進メンバーが様々な活動を行ってきたが、
全社員参加型のスタイルに発展させる過程で推進方法の試行錯誤を繰り返していた。
導入のねらい:
- 社内の課題や検討テーマ毎に同じ問題意識を持つ仲間を増やし、誰もが議論に参加できるしくみを提供する。
- 推進メンバーが記事の管理や登録に手間をかけずに社員の積極的な意見交換を実現する。
2.導入評価
- 導入評価期間(2005 年2 月~2005 年3 月)
- 評価プロダクト:ドリコムブログオフィス(ドリコム社製、利用形態:自社サーバにインストール)
- 評価メンバー: 6 名
評価結果:
ブログの利用目的が個々の日記の集合体ではなく、同時進行する複数の課題テーマに関する議論および意見交換の場であるため、
グループ機能を持つドリコムブログオフィスが我々のニーズにマッチしていた
(グループで持つことができるブログをテーマ毎のブログとして利用した)。また、
特殊な運用ニーズにあたりドリコム社の協力を得て部分的に製品のカスタマイズを行った。また、
最初のステップとして100人分のユーザライセンスを用意した。
- 運用期間/第一フェーズ(2005 年5 月~12 月)
- まずプロジェクト推進メンバーにアカウントを与え検討テーマ毎のブログを立ち上げ意見交換や情報共有を行った。
- 次に共通の問題意識を持つ社員が見つかるたびにアカウントを与え、徐々にブログの参加者を拡大していった。
- 運用期間/第二フェーズ(2005 年12 月~)
- 全社員にブログを公開し検討テーマや意見交換に対するコメントの受付を開始した。
3.ブログ活用のメリット
- 電子掲示板ではテーマをクリックして中を読まないと何が起こっているか分からないが、
ブログでは最新記事一覧を見ることができるため自分の関心あるテーマを見つけやすく、また、参加しやすい。 - 業務上多忙で毎日ブログを見に行くことができなくても、新着記事をeメールでメンバーに通知することができるため、
議論がどのように進展しているかをタイムリーに把握することができる。 - 意見を交換する中で、経営層が考える課題と現場の社員が直面している問題が一致しているテーマも明らかになった。
- プロジェクト活動の過程で作成される様々なファイルや議事録をアップすることでプロジェクトのファイルサーバとしても機能した。
- 新規推進メンバーへの経緯説明、メンバー入れ替え時の引継ぎはプロジェクトのブログを見てもらうことで大幅に削減された。
- 形式にとらわれない意見の問いかけが行いやすい。
4.現在の活用状況
利用者数(アカウント数):100 名(但し閲覧やコメントは全社員が利用可能)
- 開設されているグループブログ数:12
- サーバ機器:Linux サーバ(Celeron 2.0GHz、メモリ512MB、社内でLAN により接続)
【ブログURL】
イントラブログのため非公開
【工夫・苦労をした点】
1.最新投稿一覧をポータル画面上に切り出した
- ドリコムブログのポータル画面で表示される最新記事一覧の部分だけを、
既存のプロジェクトのポータルページに切り出して表示させた(ブログに入らなくてもどのような投稿が最近あったのかを確認できる)。 - 見たい記事が一覧にあればそこをクリックするだけでシームレスにブログの記事を開くことができようにした
(ドリコムの自動ログイン機能を活用)。
2.企業で使うブログとして一定の使用ルールを設定した
「個人を攻めない」、「他人の意見は真剣に読み、考える」、「誰にでもわかる簡単な言葉で表現する」、「事実と推測、仮説、
想像はきちんと区別する」、「建設的で前向きな議論をする(異論は歓迎、批判は禁止)」、「全員が対等で職位は無関係」など
- またその中で、ブログでは当たり前となっている個人のブログページの作成を不可とした。
個人ブログを持たせると個々が好き勝手に自分の意見を言って議論に成らずに終わってしまいプロジェクトの趣旨に沿わない恐れがあったため。
【費用対効果】
- ハードウェアは新規で準備し(約20 万円)、ブログソフトウェアおよびカスタマイズはドリコム社に支援を依頼した(約300
万円)。 - 関心のあるテーマに都合の良い時に参加できる。従来は会議としてメンバーを集め、複数のテーマを順次議論していたため、
参加者には時間的拘束や関心の無いテーマでも会議の場に居続けなければならないという負荷がかかっていた。 - プロジェクトの活動状況を社員に知らせるための労力削減(従来は個別の説明会や推進者が出向いて意見交換の場を設定していた)。
- 社員の反応をスムーズに吸い上げることができるようになった。
【今後の課題】
- より多くの社員から問題提起してもらい、意見交換や議論に参加してもらえるブログにすること。
- 試行的側面と管理面での問題から現在100 名に制限している書き込みユーザーアカウントを全社社員分に増やすこと。
- プロジェクトの趣旨に合致しない議題やテーマがブログ上に挙がった場合の取り扱い。
【今後の予定等】
- 全社員への書き込み権限付与の検討。
- プロジェクト推進メンバーによるコンテンツ管理をゼロにすること(コンテンツ=問題提起や意見記事、
は社員自身が全員で作って行く完全な自立型サイトの実現)
本件の問合せ先
NECネクサソリューションズ株式会社 マーケティング部
松崎(03-5730-5026、 matsuzaki-mitsutaka@nexs.nec.co.jp)
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