サービスに対する価値

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サービスに対する価値を何に求めるのか?
それは、サービスを提供する側の大きな課題になると思います。物を提供する場合は、原価計算によって商品の価格は決定しますが、原価のかからないサービスにおいては、そうした計算ではまかり通りません。

以前、あるコンサルタントの方から、こんな話しを聞いたことがあります。

「サービスの利用者が価格以上の満足度を得ることができれば、価格は100万円でも1,000万円でもかまわない。ただし、価格よりも満足度が下がれば、即クレームにつながる」

なるほどなぁ。とつくづく思ったものです。そのとき考えたのが、

同じサービスを提供するのであれば、価格を下げれば、絶対クレームにはならないということか・・・。

でした。かなり安易な考えだったので、かなり痛い目を見ました。というのも、価格を下げて同じサービスを提供することは、はじめの数件はそれで対応可能ですが、件数が増えると対応しきれなくなり、質が低下します。そして、結局クレームにつながるのです。

そこで、価格交渉には応じないように考えました。受注件数は下がりましたが、それでも満足のいくサービスを提供できるようになり、追加注文などをいただけるようになったわけです。
これは、営業という立場での話ですが、たとえば、ホテルや旅館などでも似たようなことが、いえるのではないでしょうか?高級ホテルや旅館は、その価格に見合ったサービスを提供することが前提とされています。
もし、お客様が少しでも価格に見合ったサービスを提供してもらっていないと感じたら、その時点でアウトです。しかし、この場合やることはほぼ決まっているので、どういったサービスを提供すればよいのかイメージはつきやすいでしょうし、同じ価格でサービスを行っている同業他社へ宿泊して勉強することも可能です。

同じサービス業だとしても、コンサルテーションと他のサービスとの違いは、価格を上げることが出来るというところにあるのではないでしょうか。コンサルティング料というのは、案外人によってまちまちです。なぜ同じことを提供するのに、価格が違うのか?それは、実績が違うからです。
実績のないうちは、正直誰からも相手にされません。相手にしてもらうには、安いお金で、ぼろ雑巾のようになるまで働き、実績を作っていくしかありません。
なので、初めてサービスを開始する場合はどんなにがんばっても最初の3年~5年は、赤字になるでしょう。
さまざまな実績を作り上げていくことによって、サービスの内容も変えることが出来るので、より質の高いサービスを提供できるようになります。これによって、価格は上がっていくのです。
はじめ、10万円でしていた仕事でも、3年経てば、100万円になる可能性もあるのです。それは、サービスの質が向上していることが前提です。

講演会を行っている人などは、かなり明確に価格差があります。
2時間講演して、交通費しか出ない人もいれば、2時間講演して講演料が100万円+旅費という人もいます。それもやはり実績に起因しています。実績が多ければ、さまざまな事例を用いて話が出来るので、いろんな人が聞きたいと思います。なので、多少参加料が高くても支払って聞きに行くわけです。

そう考えると、先にやったもん勝ちなのです。何かを始めて続けていければ、いつかは成功するというのが、成功法則の一つではありますが、まさにその通りなのです。ただ、続けていければの話ですが。