人口の2%が半数以上の富を所有

NO IMAGE

2006/12/06 日経朝刊より

12月5日に発表した国連の研究機関の調査で、世界の成人人口の2%が家計全体の富の半分以上を占めているということがわかりました。
地球規模で豊かさに偏りがある実態が浮き彫りになりましたが、パレートの法則でいえば、これはすでに予測されていたことだと思います。
ちなみに、日本は世界平均や米国などと比べて格差が小さいでした。
調査は、国連大学世界開発経済研究所が国際機関や各国の統計(2000年)を使ってまとめたもので、預貯金や不動産などの資産から負債を差し引いたものを富と定義しています。
長さんによると、世界の家計の富は合計125兆ドル、国内総生産(GDP)の合計の3倍。
家計レベルで世界の富の分散状況を示したのは今回が初めて。
もっとも豊かな層に属し、成人人口の1%に相当する人々が所有する富は、世界の4割に相当。上位の1%が居住している国を見ると、アメリカが37%、ついで日本の27%。日本だけで上位1%の三分の二近くを占めています。一人当たりの富の平均は26,000ドルですが、日本は181,000ドル、アメリカは144,000ドルで実は、日本が世界トップです。ちなみに、中国は2,600ドル、インドは1,000ドルでした。経済成長が著しいといわれている国でも、平均以下の水準です。
また、ジニ指数(1に近づくほど分配格差が広がる)はアメリカ0.80、日本は0.55、世界平均は0.89だったので、日本の資産格差はそれほどないということなのでしょう。
こうした試算からも、日本は平均的に豊かな国と見られるわけです。
ただ、忘れてならないのは、日本は多額の借金を抱えているということです。その金額を人口で割ってもう一度計算しなおすと、いったい下から何番目に位置するのでしょうか・・・。