Chain Marketing
行列のできる店というと、かなり繁盛しているように思われるかもしれませんが、実はこれには仕掛けがあるのです。
自然派生的な行列と意図的に行われている行列です。
自然は性的な行列は、実はかなり希でほとんどが意図的に作られた行列です。
これは、かなり緻密に計算された手法が用いられるのですが、販売を経験したことがないとなかなかこの手法はわかりません。
最もわかりやすいところでは、デパ地下の試食販売が挙げられます。
これは、一つのサイクルになっています。
- 試食を出す
- お客さんが足を止める
- お客さんと小話をする
- 別のお客さんが、足を止める
- 試食を出す
- また、小話をする
- 別のお客さんが試食をねだる
- 小話をする
- 初めのお客さんが商品を買う
- 次のお客さんもつられて買う
- 徐々に列が出来ていく
このサイクルで商品が売れるようになりますが、このとき、話をしながら丁寧に一人ずつ接客をしていきます。私も、私も…と買う人が増えたら、一人ずつ並んでいただくように促します。
これで、列ができました。しかし、これはあくまで列。行列というのは、列が途切れず続くので行列というのです。
ポイントは、レジのスピードを調整すること。
ここであわててしまうのが素人。プロのマネキン(販売専門派遣員)は、ここから勝負をかけます。
売っているほうは、並んでいるお客様を待たせていけないと思ってしまうのですが、
プロは、並んでる人は、もう買っている人として数えます。なので、待たせておきます。
それよりもむしろ、まだ並んでいないお客さんをそのあとの列に並ばせることがそれからの仕事になります。
こうして行列が作られていくわけですが、このやり方でレジ一台でも20万円/時は売り上げることが可能です。(私が行った過去最高は時間単価30万円でした。)
後は、こうした時間をできるだけ長く商品の続く限り行っていくわけです。
ただ、デパート側は、売り切れることを良しとしないところもあります。
それは、来ていただいたお客様に対して失礼に値するという価値観からです。なので、在庫切れはデパート側にしてみれば、あまり良くないことなのです。
ただ、売り切ったという実感があるので販売しているほうは面白いです。
1日に100万円以上売り上げることができれば、俗にスーパーマネキンと呼ばれ、いろんな催事で引っ張りだこになります。また、そうした人はメーカーに抑えられてしまっている場合もあったりします。
これは、デパートという環境だからこそ可能な技です。
デパートは、テナントが商品を売りやすくする環境を整えるのが仕事なのです。
大抵デパートに商品を置いておけば、ほっといても多少は売れます。
自動販売機的な感覚でも商品は出ていきますが、本気で売りたいのなら、製造からしっかりその商品にかかわり作り手の想いを代弁できるぐらいでなければなりません。
実は、これをネットで行っているところがあります。
ネットのデパートと言えば、楽天市場。
楽天は、いわゆるデパートと一緒で、集客のほとんどを行ってくれます。
商品数も1800万点を越えているので、百貨店・・・ではなく、万貨店?とでもいえばいいのでしょうか?とにかく、デパートであることは間違いありません。
ショップを前面に出すということよりも商品に焦点を絞って訴求している部分などもデパートのそれと、酷似しています。
しかも、実際そのやり方で売上を伸ばしている店舗もあります。
なでしこ
ここの人気商品は、期間限定の福袋。
この商品が、非常に大人気で、出せば完売。常にランキング上位という商品になっています。
確かに入っている商品もよいものなのでしょうが、男性の私にはわかりません。
しかし、女性ランキングでは1位か2位という高順位に付けているところをみると、かなりの人気であることは容易にうかがえます。
細かく分析してみると、
商品単価は、10,000円ぐらい(送料・税込の場合でも11,000円程度)
入っている商品は5点。
中身はわかりませんが、過去の実績が良かったので、お客様の声が盛りだくさん。
そして、大人気だったことを表わすために、過去のランキング1位を合わせて表示。
中身を見なくても、信用だけで十分商品を売ることができます。
そして、1800個用意しているようですが、それを一気には販売しません。
100個~350個程度を何日かに分けて、販売し、常に売り切れの状態をつくりだします。
↑ここがポイントです。
なでしこという名前にに合わず、かなりシタタカだと思ってしまいました。
すべて売り切るために、わざわざ個数を絞って日数をかけて販売していくのです。
はたから並んでいるところを見ることはできませんが、アクセス数を見れば一目瞭然。
明らかに並んでいるのがわかります。(お店の人は並んでいることを知っているのです)
欲しい!と思っても、すぐには手に入らないということが、消費者の心をくすぐります。
そして、メールマガジンを購読してしまうのです。そして、販売開始を今か今か、と待ってしまうわけです。
先述したお客を並ばせる方法を思い出してみてください。
なかなかピンとこない人のために、流れを別の切り口から見てみましょう。
- 興味をもつ(サイトにアクセス・試食をもらう)
- 商品を知る(サイトの情報を閲覧・食べて味を知り、販売員の話で商品を知る)
- 購入したいと思う
- 並ぶ(メールマガジンを購読・行列に加わる)
こうして、行列は自動的にできていくわけです。
後は、その行列をうまく利用して時間単価でどれだけ売れるか?
在庫に限りがあるのはどのケースも一緒。
売り切れた!
ということが、口コミにもなります。
(ただし、常に売り切れていると、商品がないのではないか?と思われてしまうので注意)
口コミの内容は・・・
A子: 「あの店、いつも行列できてるよね。」
B子: 「5時ぐらいで、いつも売り切れるらしいよ!」
A子: 「C子が意外とおいしいって言ったよ。」
B子: 「私も並んでみよっかな~。」
A子: 「時間あるし、一緒に並んでみよっか!」
・・・というような、口コミのストーリーが出来上がるわけです。
それが、また波及していく・・・。
そうした流れが相乗効果を生み、どんどん売れていくわけです。
限定販売は、初めは少数で。
徐々に増やしていくのがポイントです。
「初めちょろちょろ、中ぱっぱ」
ご飯をおいしく炊ける極意と一緒ですね。
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