メディアの分析2006
インターネット白書2006が今年の6月に発売されたわけですが、いろいろと興味深いデータが盛りだくさんでした。とくに、インターネットメディアと他のメディアとの比較においては、前年よりも充実しており、情報リソースの拡散化がより進行しているようにも思えます。
その中でも面白いデータとしては、インターネットにより利用の減ったメディアというものがありました。
- テレビ(地上波)
- 雑誌
- 新聞
- 書籍
- ラジオ
- テレビ(衛星放送)
- CATV
- その他
- 利用の減ったメディアはない
という順番でした。ここでは、テレビがほぼ半分の割合で利用者が減少しているといえます。ちなみに、SNSのmixiでは、「テレビ見ません」というコミュニティが存在しており、現在800名以上もの参加者がいます。500万人もの利用者から見ればほんの一部かもしれませんが…(ちなみにTOPはmixiで使える絵文字で342244人:2006年8月28日現在)ただ、そうしたコミュニティが存在すること自体、これまで考えられなかったと思います。
こうした現実を踏まえ、地方局などではインターネットに関する講習会を開いているところもあるようで、これからはインターネットがなくてはならない媒体へと変容していくものと思われます。
数年前、IT革命と言われたころはまだ実質的な変容は見られませんでしたが、現時点においてはどうでしょうか。
そうしたこともあって、広告費にも変容が見られてきています。今現在、インターネット広告費は2,808億円(電通「2005年日本の広告費」より)といわれ、ラジオ広告費を抜いた昨年よりも1.5倍の成長率を見せています。このままいけば、来年には雑誌広告費も追い抜くのではないかと言われています。
利用時間について言うと、1日当たりのインターネットの利用時間で最も多いのが、1~3時間で43.6%。対してテレビの利用時間も同じで45.6%でした。若干ではありますがまだテレビの利用者が多いようです。それ以外のメディアに関しては、ほとんど見ないか30分未満という結果が最も多い割合を占めていました。
テレビと同じ時間、インターネットをする人が増えているということは、やはりテレビの視聴者は減っているというわけです。以前の視聴率は1%=100万人と言われていましたが、このデータを基に考えると、1%=50万人ぐらいになってしまうでしょう。それだけ、テレビの影響力は減ってきていると言っても、過言ではありません。
以前、ライブドアと楽天がテレビ局の買収に乗り出すという事件が発生していましたが、インターネットの有用性を知っている人間から言わせてもらうと、買収されていたほうが後々安心だったのではないでしょうか。今現在ですでに利用者比率は同じぐらいです。ただ、このままいくとインターネットが大多数を占めていくことは間違いないでしょう。なぜなら、インフラが整えば条件はほぼ一緒ですが、インターネットは常に進化し、テレビよりも可能性に富んだコンテンツを提供してくれます。それに対してテレビは、デジタル放送への対応の遅れとともに、それの有効利用が全く見出せずにいます。
その差は、決して埋まることはないでしょう。
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