会員制による囲い込みビジネス

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商売には2通りの売り方があります。一つは、店舗でお客様がいらっしゃるのを待つという営業スタイルと、お客様がいるところに出向くという営業スタイルです。
双方にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、ここではあまり深く掘り下げません。

この2つに共通して言えることは、それぞれ顧客リストがあると非常にやりやすいということです。
店舗型の場合は、来てもらうためにリストに対してDMを送ればいいわけですし、訪問型の場合は、リストにあたっていければ非常に効率的に回ることが可能です。

ただ、最近では個人情報保護法の施行で顧客リストの取扱には厳重の注意が必要とされる時代。
以前であれば、顧客リストを販売している業者を利用すれば簡単に手に入ったものでも、今は法律に触れるおそれがあるため、そうもいきません。

そこで、会員制による顧客の囲い込みという戦略が多くとられるようになっています。意外とプライバシーポリシーをしっかりと掲げていれば、多くの人は簡単に自分の個人情報を公開してしまうのです。
プライバシーポリシーや免責事項などによって、個人情報に関する取扱指針の中に、「DMを送付しますが、それ以外では使用しません。」という旨の一文を入れておくだけでよいのです。もちろん第三者にも公開しないというお約束は必要です。

特にネットの世界では、こうした形で顧客リストを作ることが容易にできます。
この顧客リストは、ネット通販においては見込み客になります。こうしたお客様をどれだけ増やすことができるかで、売り上げが変わってきます。
建築業界や自動車販売業では、こうしたリストをしっかりと利用してご案内をマメに出していますし、その他の業界でもマメにご案内を出しているところが、やはり成功しているのではないでしょうか?

また、会員には特別割引や特別サービスという一般ユーザーとの目に見える差をつけることで、会員になるメリットやロイヤリティーが付くわけです。
もともとこうした顧客の差別化は、大手百貨店で行われてきた手法で歴史的には古くから存在します。特に有名百貨店で年間数百万もの買物をするお客様は、別室でのご案内があったり、専用の販売員がついたりするわけです。
お客様はすべて平等と見せている中で、特別扱いをすることによって、顧客に優越感を与えることで顧客満足度を上げるというかなり高度なやり方です。
販売員のスキルもさることながら、他の顧客にはわからないように、そこはかとなくご案内をするわけです。

訪問型の場合は、逆に差別化は意外と簡単で、なるべく多く顔を出すことと必ず何かお土産を持っていくことでそれが行えます。お客様は自分だけにとても弱いのです。

会員制による囲い込み戦略も、こうした顧客の欲求を満たすことが成功するポイントです。会員になれば、いろんな特典が付いてくるとか、会員専用のサービスが利用できるなど。。。
現在、Yahoo!やGoogleをはじめ多くのポータルサイトでは、こうした形での顧客の囲い込みが熱心に行われております。会員は無料。
この謳い文句に、多くの人は簡単に個人情報を登録してしまうのです。