コーポレート・ガバナンス

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企業にとって、ある一定の人員規模になると必ずと言っていいほど問題になってくるのが、企業統治です。数名程度の規模であれば、社長が全権をもって対処すればよいわけですが、30人以上になると、円滑に経営を進める上では、必要となってくる部分です。

しかし、多くの企業ではこうした問題に対処できずにいるのが現状ではないでしょうか。

企業にとって最も重要な課題は、利益の追求ですが、より効率的に利益を追求するためには、チームでの生産性というものを考慮しなければなりません。

社員はモチベーションと報酬によってその成果が左右されるといのが持論です。

このことを念頭において、次のことを考えてみました。

  • 責任
  • 権限

責任は、仕事そのものと言っていいでしょう。営業職であれば、数字に対する責任を持っていますし、技術職は納期の責任を持っています。ドラッガーも仕事とは責任である。と述べている通りで、責任=仕事なのです。いうなれば、仕事のできる人は責任感の強い人です。営業部長は数字に対する責任をしっかりと果たすわけですし、技術部長は納期に対する責任をしっかりと果たすわけです。

経営者としては、そうした責任をしっかりと果たしているかどうかを管理していればいいのです。もし、責任を果たせない場合はどうするのか?もちろん、降格ということもありうるでしょうし、より責任を果たせる人間に権限を譲渡するケースも考えられます。

利益を追求し、顧客への責任を果たしてこそ会社の価値は上がるのです。この点においては、ほとんどの経営者は理解し実践しているとおもいます。

ただ、権限においては企業間においてかなりの格差があるように感じます。

どの程度権限を与えていいものなのか?そこが、効率的生産性を上げる上で最も重要になってくる部分なのではないでしょうか?

管理職に上げられる人間は、一般社員よりも責任感の強い人間にすべきだとは思いますが、その人間にどれだけ権限を与えるべきか?非常に悩むべき問題です。

与えすぎても心配だし、まったく与えないとモチベーションは下がるし。

各事業部ごとに分けられているような会社であれば、その部門ごとに、特定の決済権と権限を与えることで、より効率が図られ生産性が上がるのではないだろうかと考えました。

(すでに、そうしたことを行っている企業は、やはり伸びるのはないでしょうか?)

ただ、決済権はどのくらいの金額ま任せればいいのか?そのほかにどんな権限を与えればいいのか?そこが焦点になってくると思います。

一 般的な視点から考えると、人件費を粗利の30%としたばあい、残り70%は経費と営業利益になってくるわけですが、どのくらいの営業利益を出したいのか? によって経費比率が変わってきます。業種によって粗利は異なりますが、この比率はどの業種でも企業を成長することを考えると同じになってきます。

経営者としては今期どのくらいの利益を出すべきか?というところは、対前年比の10%前後を目標にすればよいと思われます。もちろん、もっと拡大を目指すのであれば、それ以上ですし、業種によってはそこまで営業利益を出せない分野もあるでしょうが、最低でラインとして目指してほしい比率です。現状維持をするには常に2%の成長曲線を描かないといけないと言われていますが、現状維持だけを望んでいるのでは実質的な成長には結びつきません。実現可能な数値目標があって、それに向かって前進できるのだと思います。

とすると、人件費以外の必要経費を粗利から差し引いた時に、どれくらい余裕があるのか?ということになってきます。何としても利益を出したい場合、もしくは会社への貯金をふやしたい場合には、経費削減という手段をとっているケースもあります。

ただ、やみくもに削減を行ってしまうと、社員のモチベーションは下がります。実質的な削減をすることよりも、無駄遣いをしないということを社員と自分に教育することが大切です。

いろいろと書き連ねてきましたが、実際の経営は企業の空論ほど甘くはなく、常に何かしらの問題を抱えているものだとも思います。そうした問題にいち早く気が付くことができれば一番よいのですが、日々の業務に追われていると、そうした問題に気付かないばかりか事態の悪化は避けられないと思います。社長の器とは、人の意見を受け入れる器だと思います。昔ある社長にそうしたことを教えられました。自分のコップの水が常にいっぱいだと相手の意見は入ってきません。器を大きくするか、それともコップの水を捨てるかしかないのです。コップの水とは形だけのプライドなのだと後で知りました。形だけのプライドだけでは、いい仕事ができないことも気がつきました。優秀な経営者ほどやはり低姿勢で謙虚さを常に持ちつつ、前向きで懐が広いものです。この人についていこうと思われるようになるには、自分自身の成長は欠かせませんがそれにはまず、受け入れることが必要なのだと改めて感じています。