進化するCMS

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)という言葉を聞くようになってから、少し経ちました。
まだまだ、その有用性に気がついてない人も多いとおもいますが、すでに導入・検証をし、実用レベルまで達しているFreeCMSも数多く存在していることも事実です。

しかも、導入が簡単で誰でも手軽にポータルサイトが構築できるというものまであり、知る者と知らざる者の間では、すでに2極化がかなり進行しています。

特に有用なCMSをまとめてみました。

  • Xoops
    日本語版もありますが、本家Xoopsから独立し、より日本人向けに進化しています。このCMSは、もっとも有名なのではないでしょうか?素人でも簡単にセットアップができ、さまざまな機能をモジュールという形で追加できるという点は、もはやCMSを超え、OSに近いのかもしれません。
  • mambo
    こちらも、日本語版はありますがあまりメジャーではないようです。しかし、海外では割とメジャーなCMSに分類されるようです。また、センシティブなデザインテンプレートが豊富に存在するため、ちょっとかっこいいサイトを作りたいときはお勧めです。
  • bitweaver
    bitweaverはblogとWiki+WYSIWYGエディタがあるCMSで、データベースにはMySQLやOeacle,SQLiteなどが使えます。そして階層わけやパンくずメニュー自動生成、RSS生成など便利な機能も結構ついています。他にはWikiがついているので当然Wikiの書式を使うことができるのでWikiを使い慣れた人でも簡単に乗り換えることができます。
    またbitweaverは日本語にも標準で対応しています。日本語化は管理画面から行うことができます。
  • CivicSpace
    CivicSpaceは、かいつまんで言うと、革新政治団体の組織支援、Web サイト、ブログ、フォーラム、フォト・ギャラリーなどの公開、選挙人名簿の作成や世論調査、イベントの準備、メーリングリストの作成、等々を実現する一連のGPLedツールの開発に取り組んでいます。CivicSpaceの共同創設者で理事を務めるRosenは、政治団体を念頭に置いて設計されたソフトウェアだが、違った種類の市民グループ、たとえば詩人の集まりや教会、さらにはキツネ狩り情報ポータルなどでも使われていると語っています。
  • DEV
    シンプルなCMSです。日本語は対応していません。記事の投稿やアンケート機能、ショートニュース、フォーラム、ダウンロード、広告などmamboとほぼ同じ機能です。名前がデブというのは、日本人にはあまり好まれないかもしれません。
  • Dragonfly
    他言語機能つきで、日本語にも対応しています。他言語機能が標準でついているため、わざわざローカライズする必要はありませんが、コンテンツ内容は、その言語で掲載しないと、正しく表記されてないため翻訳は必要のようです。ただ、Help Translateとして開発者の翻訳をユーザーが手伝えるという機能がついているため、有益な情報を掲載すれば誰かが翻訳を手伝ってくれるかもしれません。
  • Joomla!
    このCMSはmamboの開発メンバーがユーザーの意見を元に新たに作成したものといわれています。mamboと非常に互換性が高く、テンプレートの利用も可能です。というより、名前が違うだけで同じです。
  • PHP-Nuke
    PHPで書かれた高機能コンテンツ管理システムです。さまざまな機能がモジュールとして提供されているので、専門的な知識がなくてもインストールするだけで本格的なポータルサイトを構築することができます。日本語版もあり、多言語対応です。
  • OneCMS
    もともと、ゲームのポータルサイト向けに開発されたCMSです。レビュー、プレビューというビュー関係とメディア、フォーラムというコンテンツで構成されます。会員登録することによって、レビュー、プレビューが誰でも掲載できることやそれに対してのコメントが載せられるため、評論のポータルサイトを作るときに便利なCMSです。

このほかにも数多くのCMSが存在します。opensourceCMS.comでは、上記のCMSはもちろんのこと数多くのCMSがまとめられています。もちろん、海外のサイトなので英語で表記ですし、日本語対応していないCMSも数多く存在しています。
日本で利用するに当たっては、やはり日本語対応済みのCMSがお勧めです。というのも、英語表記と日本語表とでは、バイト数が違うため英語版で無理やり日本語表記するとエラーになる可能性は非常に高いです。また、エンコードという点においても同じようにエラーになりやすいです。

ちなみに、こうしたCMSを業者に依頼して製作させると、内容にもよりますがだいたい300万円程度はかかります。こうしたopensourceCMSを利用すれば、かなりのコストを削減可能です。
ただし、問題は、誰がどこに設置するかということです。
誰でも簡単に作れるとは言うものの、まったくパソコンを触ったことのない人にはやはり無理ですし、大規模なCMSをイメージして月々10万円ものホスティング費用をサーバ会社に支払うのでは、あまり意味がありません。
また、CMSの選択を間違えると理想としていたものとは違ったサイトになる可能性も十分に考えられます。
さまざまなopensourceCMSが巷にあふれてくれば来るほど、何がよくて何が悪いのかという検証は常に必要になってきます。
上記であげたCMSの中では、Xoopsとmamboが比較的扱いやすく、お勧めです。
何でもできるCMSのように思われがちですが、デメリットもやはり存在します。

  • Xoops
    汎用性が高く、さまざまな機能が充実している反面、動作が遅くなってしまうというデメリットがあります。もちろん、こうした問題はすでにユーザーによって発見されており対応策もありますが、システムを直接操作する方法や用途によって、やり方が異なるということもあり、ある程度PHPの知識やXoopsの知識(モジュールのキャッシュなど)がなければ、現状では対応できません。
  • mambo
    動作的には、Xoopsよりも軽く比較的スムーズに動きます。ただ、Xoopsのようなさまざまな機能を備えたモジュールはなく、記事掲載としての用途でのみの利用を目的としているというデメリットがあります。

いずれは解決するかもしれませんが、現状では問題があるのも事実です。

そもそも、CMSは膨大なデータを管理しやすくすることを目的としています。
たとえば、HTMLデータで300ページを超えるデータを作成・管理することを考えると、どれだけのコストと時間がかかるのでしょうか?
ちなみに、2年前250ページのデータを徹夜で仕上げたことがあります。時間数にして48時間です。
どんなに、早く組もうとしてもパソコンのスペックや入力速度に限界がありそれ以上は無理でした。
しかも、後半は意識が朦朧とした中で組んでいたため、かなりミスもありました。
誰かに手伝ってほしいと思っても、誰もできないと独りでやるしかないわけですが、CMSはブラウザ上で誰でも簡単に情報を掲載することが可能です。
以前のような作業は、しなくてもよいわけです。

CMSはこうした作業負担を軽減させるばかりか、情報をより早く、より的確に、そして大量に配信できる理想的なシステムです。

理想的で利用価値の高いCMSですが、情報を大量に持っているだけでは利用者まで届きません。
では、検索エンジンへの対応などはどうなっているのか?

それは、また次の機会に。。。