激安商品はもういらない

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今日本では、激安志向と高級志向の両面が見え隠れします。
バブル崩壊直後から激安商品というものが非常に売れる時期がありました。激安商品が売れるのは単に、安いだけという理由からでマスコミが不況、不況と煽り立てる傾向から生まれた現象だと考えられます。しかし、それも徐々に難しくなってきました。
というのも、価格競争という企業にとっては非常に不利な状況へと追い込まれていったからです。
新しい製品やサービスが出ると、消費者は飛びつきますが、競合他社がそれと同等のものを自社より安く提供するようになると、顧客は他社に流れてしまいます。
そして、自社の顧客を取り戻そうとまた価格を下げ、他者もそれよりも下げるという一種のチキンレース(一番の弱虫は誰か?ということを決めるネガティブな競争)になっていきます。そうすると、だんだん後には引けなくなってきて、いつの間にか原価割れを起こし赤字商品を大量にばら撒いていくという最悪の状況になってしまいます。
こうした価格競争に陥ってしまうと絶対的に業界トップにはかないませんし、勝負になりません。規模も資本力も違うのですから。

という話までは、知っている方も多いと思いますし、実感もあることでしょう。
ここでのポイントは、お客様は安い商品だから買うのか?ということです。
現在では「安かろう、悪かろう」という意識が定着してしまいました。安い商品やサービスは質も悪いということです。
しかし、中には安くてもよい商品やサービスを行おうとする会社があります。
しかしながら、そうした会社は3年と持ちません。これは、事実です。
いくらお客様のためといっても、採算の合わないことをやり続けていれば、会社を続けること自体難しくなってきます。特に若手の経営者は価格を下げ、質を上げ、というようなことをしているところも少なくありません。こうしてせっかく作った自分の店舗や会社をつぶしてしまうのです。
確かに、売れなければ仕方ありませんが、それでも価格を下げるという選択肢は一番最後に持ってこなければなりません。
楽天が成功したポイントとしては、今も変わらない出展料にあります。
楽天に出展すると毎月必ず5万円の出展料を支払わなければなりませんが、初期のころは非常に苦労したとのことです。売れるかどうかもわからない場所に毎月5万円を払って出せるかどうか。
この設問に、多くの店舗経営者はバイヤーはNoと答えるでしょう。
しかし、楽天の三木谷社長はこの金額だけには頑固に固執しました。よって、今では日本最大のネットショッピングモールへと成長したのです。もちろん、出展料は今でも変わっていません。

松下電器創設者、松下幸之助翁の言葉に「成功するコツは、成功するまで続けること」とあります。
成功者がこういっており、しかもそれで成功したビジネスモデルがあるのです。

楽天の5万円を高いと感じるか安いと感じるか?
確実な見込みが立つのであれば、安いと感じるかもしれませんが、まったく見込みが見えな場合は高いと感じます。実は、ここがポイントなのです。
私は、物を売るよりサービスを売ることのほうが多かったのですが、サービスは目に見えません。
だから非常にわかりにくいのですが、価値が見出せれば話をするだけで(というと語弊を生みますが、それ以外でもいろいろとお手伝いはしていました)月10万円もらえることもありました。それは、お客様が私自身に何らかの価値を見出してくださったからなのです。
こうしたものを一般的には顧問料などというもかもしれませんが、何もしていないのに毎月顧問料をもらっている人だっています。(そうした先生は大抵、会社側から切られますが)

お客様がそこに何らかの価値を見出せば、偽物のエナメルバックにでも数十万円払ってしまうのです。

実は、価格が高ければ何で高いのか?と考えますが、価格が安いとそういうものだろうと想像がついてしまうのです。特に一般庶民は価格の安いものに慣れすぎているので、価格が低いことに対しては不干渉になっています。敏感になっているのは価格を下げる人たちだけです。

今の消費者動向はかなり不自然です。
100円マックを食べならが、数千円もするサプリメントの飲むという食生活が物語っています。
普段の食生活には価値を見出していないのに、健康には価値を見出しているのです。
もともと食生活が健康改善の第一歩だと思うのですが・・・。

こうした消費者動向に惑わされ、激安商品に向かっていく傾向が会社の経営を圧迫させ、倒産企業を増やしてしまうのです。
実は、こうした消費者動向も情報に惑わされているのです。

そうしたものに惑わされないためには、オンリーワンであることが重要です。
そこでしかない物やその人しかできないサービスなどは、いくら高くても売れるのです。
価格を下げる前に、まず商品やサービスへの付加価値を高めていくことのほうが重要です。