メール対応 Part3

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メール対応でもっとも難しいのがクレーム対応です。
メールではなかなか誠意が伝わりづらいというデメリットを含んでいますが、お客様からメールなどで連絡が入った場合、誠意を持って対応しなければなりません。

どのようなクレーム対応でも同じことですが、まずは、誠意を尽くすこと。そのために何をすべきかを考えることです。明らかにお客様に非があるとしても必ず、「大変申し訳ございません。」の一文ではじめなければなりません。
しかしそれを、「事実関係を確認します。」などとしてしまうと、非常に印象が良くありません。
この場合、お客様は言い訳の材料を探していると考えてしまうからです。
また、スピードも重要です。迅速な対応こそがお客様にもっとも誠意が伝わります。

今、ナショナルのFF式ファンヒーターの回収が行われていますが、ニュースで明るみになってから、すぐに対応に取り掛かった松下電器の姿勢は大変評価されると思いますし、多くの消費者に好印象を与えたと感じます。
「やっぱり、松下はしっかりしてるよなぁ~」
この言葉こそが、対応に対する絶大の評価を表しています。

クレームは、しっかりと対応すれば、逆に上客を増やす絶好のチャンスになります。
人間誰しもミスはありますが、その後の対応こそが重要なのです。

クレームメールの中には、とてもひどい内容のものもあります。電話だといいづらいことでもメールであれば何でもいえてしまうということが、クレームの文章に拍車をかけます。
ただ、そんなことでめげていてはクレームは対応できません。
また、メールでの対応だととても事務的になってしまいがちですが、一言必ず自分の言葉を入れることも忘れないでください。

表 初期クレーム対応上やってはいけない表現と書き方(メール対応)

受け手の態度 要因と表現・書き方の表れ方
遅い対応
あいまいな対応
・担当者が不明確で案件のたらいまわし状態をにおわせる表現
・事態の軽視を相手に感じさせる表現
・事情把握ができていない表現
・社内体制の問題(指揮命令系統の不備)から起こる表現
差別的な対応・書き方 人種・性別・年齢・収入額・出身地・家柄・学歴・犯罪歴などによる差別を感じさせる表現や用語の使用
間違った発言
間違った書き方
間違った情報を伝える
・事実関係の誤認と受けとられる表現
・調査中であるにもかかわらず、勝手に「結論」を言ってしまうような表現や態度
不用意な発言
不用意な書き方
・先方の売り言葉を買ってしまう表現
・「その全額私が負担します」など、軽はずみ・思いつきで物事をいう、またはそう受け取られる書き方をしてしまう
笑う、茶化す 「そんなバカな」「相手は何もわかっていない」と相手を軽視する心・態度が表れる表現や書き方をしてしまう
相手のペースにはまる ・準備不足からくる直対応的な表現
・対応スキルの未熟さからくる表現、文章の書き方
相手に精神面で負ける ・根気がなく、文面が粗雑
・目的意識が薄く、その場を逃れるような表現、書き方

nikkeibp.jpより抜粋

また、クレーム対応の基本は聴くことだとよく言われます。
具体的な事例として以前、私が対応した例を挙げますと、
まずメールでクレームが入りました。(大体内容を見れば、単なる問い合わせなのかクレームなのかという判断はつきます)そして、48時間以内になんとしても第一返信を行います。
この時間は最高で48時間です。できれば即時対応のほうがよいですが、何らかの理由で対応が遅くなってしまった場合でも24時間以内の返信が望ましいです。
そして、最後の一文につなぎとしてお電話でのご連絡を差し上げる旨を盛り込みます。
すぐに電話したほうがよいのではないか?と思われる方も多いでしょうが、メールできたものに関しては、はじめはメールで返したほうがよいからです。お客様としては、こちらの誠意を見ているのですから、メールの返信もなくいきなり電話するということに対して、無作法だと感じられる方もいらっしゃるからです。
そして、お客様から返信があるなしにかかわらず、少し間をおいてお電話します。
個人のお客様の場合は、できれば夜20:00ごろが望ましいです。夕食をとって一息ついている時間帯がこの時間ですので、精神的にもある程度余裕が生まれています。
もし、お電話で解決できるのであれば、これだけで終了となりますが、ケースによってはお電話だけではすまない場合もあります。

その場合は、伺います。

特に百貨店の場合はお電話でお詫びをして、どんなに遠くても飛行機や新幹線を使ってその日のうちに伺うような対応をとります。百貨店はブランド力がありますが、こうしたこまめな対応がブランドを守っているのです。
法人の場合もやはり同様で、先方の同日営業時間内に伺うようにすることがベストです。

以上のケースを踏まえたポイントは以下の3つです。

  • クレーム直後に、第一返信メールを出してトップと上司に報告
    すぐお電話をして、お怒りを静めつつご希望をうかがい
  • トップや上司と相談した上で善後策を決定。場合によってはトップや上司から電話をする
  • その後、担当者本人が、まだ電話か訪問をして、具体的な解決に入る

クレーム対応の後は、そのお客様とコンタクトするのは、気が引けるものです。
しかし、ここまでの対応が迅速に出来ていれば、むしろお客様は、以前よりも、さらに信頼してくださっているはずです。
他のご贔屓のお客様同様に、あるいはそれ以上に、積極的にコンタクトすべきでしょう。

 ○○様には、前回、大変ご迷惑をおかけしました。

 二度とこのようなことがないように、このたび弊社では、
 新しい仕組みを導入することになりました。
 
 今後は、よりよいサービスをご提供できるかと存じます。
 
 これも、○○様のおかげでございます。
 どうも、ありがとうございました。

こんな、メールが本人、そしてトップから届けば、お客様も「特別な感情」を抱いていただけるかもしれません。