節制

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こんな言葉がある。
「衣食足りて、節制を知る。」
果たして、この言葉は本当なのだろうか?
昔の人は、確かにそうだったのかもしれない。

しかし現代には必ずしも当てはまらないのではないだろうか?
第二次世界大戦後、日本は食べ物もきる物もたりないじょうきょうだった。
その頃はこの言葉を人は信じていたのだろう。
現実は、折り重なるような好景気により、驀進的に経済は回復し、世界第二位の経済大国と言われるようにまでなった。
もうおきづきの方もいるだろうが、決して節制知ると言う言葉は当てはまらない。
誰も節制と言う言葉を、実行していない。(一部の人たちはしているだろうが)
衣食が足りても節制を知らずと言うところが妥当なところだろう。
なぜかと言うと、経済の基礎原理がそうさせていると考えられる。
経済を動かすのは人間の飽くなき欲望である。
金は止まることなく回り続け、人は新たな欲望を知る。
そういった循環が果てしなく続き、 経済はより大きくなる。
欲しいものが手に入れば、新たに欲しいものが生まれるのと同じ原理だ。
そう考えると「衣食足りて節制を知る。」ことは、 戒め的な意味合いが強いのだろう。
「衣食足りて節制を知れ!」
と言った方が、より現実的なのではないだろうか?