本は物事のインデックスに過ぎない

NO IMAGE

最近気に入っている言葉に、言志録の

「太上は天を師とし、その次に人を師とし、その次に経を師とする」

という言葉があります。

太上とは、最も優れたもの、極めて良いものの事を言い、この場合、もっともよい学び方の事を言っています。

天を師とし、とは、自然から学ぶという意味で、最後の経とは、書物のことを指します。

分かりやすく言い換えると、

「もっともよい学び方は、自然から学ぶこと、その次に人から学ぶこと、その次に書物から学ぶこと」

だと言っているのです。

読書家の人には大変失礼なことかもしれませんが、書物からの学びは、自然と人からの学びよりも、良くないらしいのです。

書物は、人がこれまで自然や人からの学びを分かりやすく記したものに過ぎません。

検索エンジンの検索結果と同じです。

意外と知られていませんが、検索エンジンの構造モデルは、図書館です。

索引をまとめておいてどこにどんな本があるかを瞬時に見つけることができる。

(索引のことを英語ではインデックスといいますが、ホームページ制作上でもその名残が残っていたりします)

しかも、現在インターネットでは、研究論文や古文または、書物にすらなっていない情報も多数ありますし、Googleは世界中の書籍をスキャンするという計画もすすめています。

ただ、インターネットの最大の問題は検索でもあります。

最高の長所は、最大の短所でもある。

インターネットの場合、検索できることが最大のメリットですが、検索語句を知らなければ、検索できないというデメリットを持っています。

検索語句=キーワード

要するに、言葉です。

たとえば、「ブラック-ショールズ方程式」を知っている人はどれだけいるでしょうか?

検索すればWikipediaがトップで表示されますが、そもそもこの言葉を知らなければ、検索すらしないわけです。

逆に、書籍は手にとって内容を見てその言葉と意味を順序立てて知ることが出来ます。そうして、様々な言葉を覚えることによって、検索の幅が広がるのです。

検索が得意な人ほど、実は本をたくさん読んでいるように思います。
(※明確な調査結果がないのでなんとも言えませんが)

インデックスを知ることは、自然や真理を探求する上で、まずはじめに行うべきことなのかもしれません。