Innovation

※イノベーションと言うタイトルと、広告批評336号との関連性についてピンと来た人は、この先はもう読む必要ありません。

・・・というちょっと、乱暴な切り出し方ですが、広告批評が30年の歴史に幕を閉じた事と、これの意味するところがイノベーションなんだろうと、思うのです。

ところで、創刊がガンダムと一緒の年なんですね。(ちなみに私とも)

1979年というと、自分の生まれた年ぐらいにしか思っていませんでしたが、日本にとって結構重要な年だったのではないでしょうか?

そうおもって、Wikipadiaを調べてみたら結構、面白い事がありました。(1979年

日本テレビの『ズームイン!!朝!』も、この年の3月から放送を開始していす。また、4月には人気アニメ、テレビ朝日『ドラえもん』が放送を開始などの人気番組もこの年から始まっています。

技術的なところでは、携帯電話の前身である自動車電話サービスが電電公社(現NTT)より東京23区内で開始されたり、ビャーネ・ストロヴストルップが汎用プログラミング言語のC++を開発したりと、今の時代を左右するものが生まれていました。

国際的には、1月にアメリカ合衆国と中華人民共和国が国交樹立し、12月には、ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻があって、これもまた今の時代を左右する出来事だったわけです。

アメリカと中国の関係は、ここからはじまったといっても過言でありませんし、アフガニスタン問題も、結局この年から起こっているわけです。

そんな事を考えてみると、どうも1979年はいろんな意味ではじまりの年だったような気がします。

そうした1979年に、広告批評も生まれました。

私は、広告批評を買ったのは、実は今回が初めてです。「最後だから」ということと、実際どんな内容だったのかを一度見てみたいと思って、購入しました。

人間、「これが最後」と言われると、買いたくなってしまうものです。

初めて見た感想としては、ずいぶん文字の多い雑誌だなぁと思いました。雑誌というよりは、本ですね。(他の刊を見ているわけではないので、今回だけなのかもしれませんが)しかし、書き言葉ではなく、話し言葉で書かれている為大変読みやすい。これは、すばらしい事です。これだけ分厚い雑誌にも関わらず、スルスルと言葉が入っていくあたりが、流石だと思いました。

もう一つ、購入した理由があります。それは、「30年も続いた雑誌が、今のタイミングでなぜやめるのか?」ということを知りたかったからです。

自分の中では様々な憶測が生まれましたが、実際に、初代編集長の天野祐吉さんの話を読んで納得しました。(詳しく知りたい方は買ってください)

その時代の社会背景を知りたければ、その時代に出された広告を見るとよくわかると、いっていた人がいましたが、広告批評はまさにそうした社会背景をまとめた教科書なのだと思います。(現代史で使ったらいいかもね?)

広告批評336号を読んでみて感じた事は、これだけの雑誌を休刊するのは本当に残念だと言う事です。特に、対談とロングインタビューは、広告批評だからこそできる組み合わせだと思います。もっと早く出会っていたら・・・などと言う安易な言葉もありますが、以前の自分だったら、この雑誌を良いと思えたかどうかはわかりませんし、そもそも手に取ってみようとは思わなかったでしょう。休刊になるという事がなければ、一生見る事もなかったかもしれません。

ともかく、広告批評は終わりました。そして、その意味するところは、広告のあり方が変わってきているという事実です。

メディアが変われば語り口が変わる、語り口が変われば消費者と広告の出会いの質も変わるかもしれない・・・メディア自体をクリエイトしていこうとする動きは、表現に影響を与えないはずはない

これは、広告批評の三十年と題された天野氏の文章から抜粋した言葉ですが、ここにすべてが語られています。

メディアがこれまでのマス媒体(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)からインターネットへと変わってきているわけですが、そこでは、これまでの暴力的な押しかけは通用しなくなります。

インターネットをメディアとしてとらえたとき、双方向コミュニケーションが基本ですから、サジェストはできてもプッシュはできないのです。

無理にプッシュしようとすればたちまち炎上してしまうわけですし、これまでいくつか炎上したところは、双方向コミュニケーションを無視し、暴力的な押しかけを行った結果です。

また、インタラクティブという領域では、メディア自体をクリエイトできます。触れて体験できる媒体を作り出せるのは、広告そのもののあり方を根本から覆すものだと思うのです。

広告を、情報伝達の手段と位置づけた場合、道路工事に話を置き換えるとわかりやすいかもしれません。

これまで一方通行だった道路が、拡張され片側4車線道路になったようなイメージです。道路拡張にともなって、制限速度もそれまでの40Km/hから80Km/hにまで上がりました。ただし、そこを通る情報は平均100Km/hで走り抜けていくのです。

道路拡張が行われると、実は上記のようにルール(道交法)も変わるのです。

このルールの変革こそが本当の意味でのInnovationです。

広告批評の最後の役目は、一つの時代の終わりを告げ、そして新しいルールが既に適用されていることを知らせる事だったのでしょう。

30年間おつかれさまでした。

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