規制緩和がもたらしたもの

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規制緩和がもたらしたもの・・・それは、「破壊と混乱」です。
具体的な例をいくつかあげてみます。

1月25日21時58分配信 毎日新聞

タクシー業界の規制緩和で年収が下がるなど苦痛を受けたとして、東京都内で働くタクシー運転手10人が国に計2786万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(三代川三千代裁判長)は25日、「原告が提起した諸問題の改善解消に向け、政府が責務を果たすことを強く期待する」と異例の付言をしたうえで、請求を棄却した。

政府は93年から規制緩和を進め、02年施行の改正道路運送法で▽新規参入を免許制から許可制とし、需給調整の廃止▽料金の認可基準の弾力化−−などを定めた。原告側は、こうした政策が過当競争を招き、生活不安を与えたと主張していた。

判決は「不法行為の特定を欠く」と訴えを退けたが、「規制緩和は輸送の安全や利用者の利便に結びついておらず、運転手の労働条件悪化というひずみを生んだのは明らか」と付言した。
【北村和巳】

規制緩和で苦しむ業界の最たる例ともいえます。

また、先日の秋葉原で起こった痛ましい事件の背景には、派遣業界の規制緩和による問題が根底にあったとされ、7月8日に日雇い派遣を原則禁止し、特定業務だけで例外的に認めることを柱とした労働者派遣制度の見直し案を正式に決定し、舛添厚労相に秋の臨時国会に労働者派遣法改正案を提出するよう要請しています。

規制緩和による実態は、以下の通りになります。

規制緩和

競争激化

価格下落

コスト削減

人件費削減

非正規雇用増加

それでも薄利のため過酷労働を強いられる。

将来に対して希望が持てない

犯罪行動

こうした負の連鎖ともいえる状況の中で、いったいどうすれば希望が持てるでしょうか?
犯罪の9割は、失業率でほとんど説明がつくとよく言われますが、まさに近頃の事件はそれを象徴しているかのようなものばかりです。

実質的に失業していなくとも、何の保証もないような雇用状況では、失業状態とさほど変わらないともいえるでしょう。

ややもすると、近頃の事件は、自分勝手な人の犯行とも言えなくはないのですが、人が犯罪行動をとるには、何らかの理由が存在します。
というより、人が行動をとることすべてにその人なりの理由が存在しているのです。

 

先の図で示した通り、規制緩和が結果犯罪者を生み出してしまっているといっても過言ではありません。

しかし、その規制緩和政策をとらざるを得なかった背景もあったわけです。そもそも、既得権益を享受している古い体制が、様々な業界であったことに端を発しているようにも取れますが、実際は、それをあおったマスコミの責任だと考えています。

テレビをはじめとするマスコミが流す情報のほとんどは、不安をあおるものです。社会情勢がそれほど不安でなければ、見向きもされないでしょうし、自分のこととは感じないでしょうが、社会情勢が不安な中では、冗談ではすまされません。

ある人は、「テレビで凶悪事件を報道するたびに、その事件を模写して新しい凶悪事件を起こせと言っているようなものだ。」ともいうぐらいです。これは、極端すぎるかもしれませんが、そう捉えられてもおかしくないのも事実です。

 

国を規制緩和に向かわせたのも、マスコミの過剰報道によるものではなかったのでしょうか。

事実を伝えることが仕事と考えているかもしれませんが、その事実によってどれだけ多くの人が影響を受けるのか?マスコミ関係者は、まずペンを握る前にそのあたりをもう一度よく考えてみたほうがいいです。