ガラパゴス的進化論

日本の携帯電話の進化は、世界から見るとかなり独自すぎるため、ガラパゴス的などとよく言われます。日経新聞なんかでは、しょっちゅう出てきます。

その背景には、世界の主流であるGSMやCDMAという通信規格を採用せず、長くPDCという日本独特の通信規格を使い続けてきたという理由があります。

今でこそ、世界中どこでも利用できる規格になっていますが、10年前などはそもそも海外で携帯電話を使うという発想自体、キャリアにとっては皆無でした。

海に囲まれていることもあって、隣の国で使う理由も特になかったのかもしれません。まさに携帯鎖国です。

また、携帯電話の本体は、キャリアにお伺いを立てながら開発しなければならないというメーカーの立場もあり、こうした独特の進化の原因はキャリアにあるといっても過言ではありません。

今でこそ、キャリアを自由に選べるナンバーポータビリティーなるものができるようになりましたが、海外では5年も前からできています。それもそのはず、メーカーの立場が違うからです。

キャリアとは、docomoやソフトバンク、auのことですが、この人たちは携帯の通信・通話料によって儲けている人たちです。

通信・通話量が増えれば、それだけ儲かるというわけですから、自然と、それを増やすことを考えます。

まずは、携帯メールによって、電話以外の利用料金が徴収できるようになりました。電話をさほど使わない人でも、メールは多用する人は多いのではないでしょうか?ほんのちょっとしたことでもメールで済ませようとしたり。。。

次に登場したのが、i-modeです。これによって、携帯コンテンツという概念が生まれより多様な通信料が徴収できるようになったわけです。しかも、携帯コンテンツはキャリアが独自で決められるというエゲツナイ手法をとったため、入れてほしければ金払えといわれても、コンテンツ提供業者は従うしかありません。(つい先日、i-modeで入札制にするという発表がありましたが、猛烈な反対になって取り下げたみたいです)

その後、より大きいデータを送信させる目的で、カメラもつけちゃいました。いわゆる写メールです。これに対抗してムービー写メールといった動画までもが出る始末。

そうした、キャリアの思惑をよそに、携帯コンテンツもよりサービスを拡充していくのです。

そのなかでも最も儲かるといわれるのは、着メロです。本当にいろんな着信音が出回っていて、着信音なのかテレビで流れている曲なのか分からなかったぐらいです。

それを裏付けるデータがあります。

  音声通話 データ通信
(単位米ドル)
データ通信比率
日本 42.3 15.7 27%
米国 46.7 5.3 10%
英国 38.2 6.8 15%
ドイツ 29.5 6.5 18%
ロシア 9.1 1.9 17%
中国 8.8 1.2 12%
ブラジル 8.1 0.9 10%
インド 8.2 0.8 9%

「週刊/ダイヤモンド」2006.11.25日号より

 

携帯電話の加入者1人当たりの月間売上高(ARPU)順に各国を並べ、そのうえで音声通話とデータ通信、そして利用全体に占めるデータ通信の割合を示したものです。日本はARPUが世界最高であり、データ通信が利用全体の27%と他国を圧倒しているのです。

こうしたデータからみても、日本と海外とでの携帯電話に対する考え方が全く違うことがうかがえます。

海外では、あくまでも通信手段。それ以外の利用はほとんどありません。あってもメールのやり取りぐらいです。しかし、日本の場合は、携帯電話は生活の一部、もしくは生活のインフラとしての役割までも担っています。その証拠に、お財布ケータイなるサービスもあり、つい先日も小学生がケータイで買い物をしているのをコンビニでみました。

ケータイで物が買えるのは世界中どこを探しても日本だけです。

まず、携帯電話を通信機器として見ている人たちにとっては、その発想はないでしょう。

iPhoneが売れないと見込んでいる人の中には、このお財布ケータイ機能が付いていないからという理由もあります。

 

こうした独自の進化がわれわれ日本人にもたらしものはなんでしょうか。

幸福?それもとも…

ただ感じることは、ケータイに依存している人は増えたような気がします。

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