オープンソース企業はもうかるのか?

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http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20364986-2,00.htm

先月の話ですが、サン・マイクロシステムズがMySQLを買収するという話がありました。
サンと言えば、Javaの会社。MySQLと言えば、無料で使えるデータベースエンジンとして有名です。

サンはJavaを効果的に運用するための独自のソリューションなども提供しているため、商用で利用される頻度も多いわけですが、MySQLはソース(プログラム)は無料での利用も可能です。

オープンソース企業と対極にあるのが、マイクロソフトやAdobeが提供するソフトです。一般的にライセンスソフトといわれていますが、プログラムを作ってそれに対して値段を付けて売っているというかなり分かりやすい商売です。
たぶん誰でもこの程度は理解できますし、マイクロソフトが儲かっていることもみんな知っています。

しかし、この発想で行くと、無料のソフトでどうやってビジネスを確立するのか理解できません。

有名なオープンソース企業は、MySQL(DB)のほかにもRed Hat(Linux)、Zend(PHP)といったものがあります。それらに共通しているものは、プログラムは無料だけれど有料サポートを用意してある。というところです。

オープンソースで成功を収めるには、この部分がキーポイントになるようです。

実際、無料ということは、ソフトの利用中に何かトラブルが発生しても自力で解決しなければならないというリスクがもれなくついています。使い込んでいるのであれば、別にサポートなど必要ないかもしれませんが、それでも予期せぬエラーというものはどんなプログラムにも存在しているわけで、そこで行き詰ってしまうこともあるのです。

オープンソースの利用者が集まってそうしたトラブルに対するコミュニティーなども存在していますが、商用で器量する場合は特に慎重にならざるを得ません。なぜなら、システム利用者からはお金をいただいているからです。
利用者はお金を出している以上、永続的に安定したサービスを受ける権利を持っているため、トラブルだからすいません。。。では、済まない場合も出てきます。お金の問題は最終的にはお金で解決するしかありません。いわゆる損害賠償というものです。
たとえば、アマゾンで買い物をしている時、決済完了画面が出てこない。しかし、しっかり金額だけは請求されていた。どうやらシステムエラーが起こったようだ…。などというケースの場合、その瞬間だけでどれだけの損害が発生するかわかりません。(もちろん、アマゾンはそうならないようにしていると思います)

事実、アマゾンやGoogleはオープンソースを利用して開発コストをかなり削減しています。

そうした危険性をはらんでいることもオープンソースを利用する側は覚えておかなければなりません。
しかし、無料で利用できるとあって、瞬く間に利用者は増えます。そして、有料でもいいからサポートを受けたいというニーズは自然と出てくるわけです。

ちなみに、オープンソース企業のビジネスモデルは大きく分けて3つあります。

  • サポート提供
  • デュアルライセンス
  • 有料拡張

サポート提供については、また改めて説明する必要はないと思います。このビジネスモデルに当てはまるのは、
Red HatやJBoss(2006年、Red Hatに4億ドルで買収された)、Zendなどが挙げられます。
プログラム自体は、無料で利用可能ですが、商用利用する際の必要なサポートを有料で行っています。オープンソースの企業利用が増える要因はこうした企業の存在が大きいのです。

デュアルライセンスというのは、無料ソフトもあるけれど、商用利用などには有料版もありますよ。というサービスです。これは、MySQLやMovable Typeなどが挙げられます。サーバープログラム以外でもよく見られるビジネスモデルです。正直個人用とであれば、無料でふつうに使えれば問題ないわけです。何かトラブルが発生してもやめればいいわけですし。
無料版と商用版との違いは、機能面という部分もありますが、やはり大きいのはサポートの面です。無料版でも基本機能は利用できますし、特に問題なければよいのですが、もしもの時の保険としてできる限りのサポートは受けるべきです。というのも、プログラムにはもしもがつきものだからです。人が作り出したものに絶対はありません。

最後の有料拡張というものは、デュアルライセンスに近いかもしれません。このビジネスモデルは、基本使用は無料ですれど、有料で拡張も行えますよ。というサービスです。このモデルはASPでのサービスを提供している企業がおおいです。EmEditor、AVGなどは、このモデルを採用しています。SugarCRMについていえば、ライセンスはGPLではなく、SUGARCRM PUBLIC LICENSEを採用することで拡張機能を切り分けて売っています。
SugarCRM – SUGARCRM PUBLIC LICENSE

ソースコードに加えた変更は、再配布する場合に限ってオープンソースコミュニティにも流さなくてはならず、変更したコードを販売することはできない、という感じのライセンスです。つまり、これによってただ乗りによるライバルの出現を防いでいるわけです。

以上あげたもの以外でも下記のようなモデルがあります。

最適化
コンサルタント
年間契約
パトロン
ホスト
組み込み

オープンソースに限らず、保守契約というビジネスモデルが一番もうかるような気がします。