PR in the 4P

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今、PR会社が注目を集めているらしいです。といっても、日本人の多くの人がPRをアピールとかプロモーションといった意味にとらえているようですが。PRとはパブリック・リレーションといって広告などとは別物だと考えなければなりません。PRの本場はアメリカで、国が政策の一環で行っている場合もあるということです。(PRとアメリカについてはノーム・チョムスキーの著書に詳しい)日本でも、近年選挙戦でPRという手法によって大成功をおさめた事例があります。な ぜ、こんなにもPRが注目を集めているのかというと、メディアの多様化と消費者の変容が大きいと言われています。メディアが多様化した結果、それまでの広 告的な手法では従来のような手応えがほぼ得ることはできなくなってきています。また、消費者が賢くなっているので、商品を全面に押し出すような手法では、見向きをしてくれなくなっている訳です。消費者が賢くなったということも、メディアが多様化しているということも、実は、PRという手法を用いるとプラスに働くのです。ただ、そのやり方を一歩間違えると信用は地の底に落ちてしまうという危険性もはらんでいることも事実です。なので、こうしたものを取り扱う場合にはプロが必要になってくる訳です。PRが注目を集めていると先に述べましたが、正確にはPR会社に注目が集まりつつあるのです。そのノウハウに。消費者が賢くなってきたことによってニーズも、より高度なものになってきています。よって企業側もこうした背景から、従来のような広告的手法に満足を示さなくなってきています。以前、マルコ式マーケティング基本講座において、基本フレームとなる4Pについて説明しました。

  • Product  プロダクト:製品
  • Price   プライス:価格
  • Place   プレイス:流通
  • Promotion プロモーション:販売促進

ここでは、最後のPはPromotionになっていますが、現在は

  • Product  プロダクト:製品
  • Price   プライス:価格
  • Place   プレイス:流通
  • Public Relations パブリック・リレーション:PR

が必要とされてきているのではないだろうかということです。広告宣伝とは違うということは先に述べましたが、具体的にどのように違うのか?というと、

  • 広告・・・新聞、雑誌、TVの枠を買ってそこで商品をアピールする
  • PR・・・新聞、雑誌、TVにニュースとして取り上げてもらう。

と、その内容は全く違ってきますし、広告では社会現象にまで発展することはありませんが、PRは社会現象を生み出す力をも持っています。賢明な方であれば、「でも、それってブームとどう違うの?」と考えるかもしれません。

  • ブーム・・・一過性/瞬間的
  • PR・・・長期的/永続的

と、言うようにPRは一過性のブームとは違います。特に、ファッション業界ではこうした偶発的に思えるようなブームが定期的に起こっていますが、一過性のものなので、のど元過ぎれば・・・となってしまうわけです。ブームについてもちょっと考えてみると、大抵ブームの火付け役は女性が主体です。女性に気に入られれば、モノは売れるという話もあるぐらいで、女性はそうしたものに敏感に反応します。なので、ブームはどちらかというと感性的なのかもしれません。

そう考えると、PRは理論的で男性的とでも言えるのでしょうか。ブームにはそのものに対する裏付けはなく、「何となくみんなが持っているから」とか、「かわいいから」とか、直接的に感性に働きかける情報が主体のような気がします。一時期女子高生の間ではやったルーズソックスには、まったく裏付けはありませんでした。(未だに、なぜあの頭陀袋のような靴下が良かったのか理解できませんが・・・)

その点においてPRは、根拠が必要になってきます。各メディアに取り上げてもらうには、そうした根拠を見せると記事が書きやすいからです。また、ニュースとして取り上げてもらう場合には、それの良さはもちろんのこと、それ以外にもこと細かなデータがあると便利だったりします。定期的に取り上げてもらえるだけの情報量が必要になってきます。

この点などは、検索エンジンの上位表示にもリンクしてくる考え方だと思いますが、情報の質と量が、PRを行う場合には必要不可欠だと思います。ただ、インターネットというメディアだけに限定してしまうと、それ以外の人たちにはなかなか情報を届けることができません。なので、複数のメディアに取り上げてもらうことが必要になってくるのです。

最近では、mixiなどのSNSが各メディアに取り上げられている事象ですが、少し前は2chが結構話題になっていました。Winnyも話題にはなりましたが、2chもWinnyも、どちらかというとネガティブな情報です。PRにおいては、決してネガティブな情報は出せませんし、企業の不祥事問題として取り上げられても、ナショナルのファンヒーターのように、ネガティブ→ポジティブというように、企業ブランドを高めることも可能です。常にポジティブに働くものでなければ、失敗と言えるでしょう。

PRは体系的になっているとも言われ、簡単にはご説明できませんが、今知りうる限りのことを書いてみました。その具体的な手法や詳細についてはまた次の機会にしたいと思います。