マーケティングか?詐欺か?

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社団法人「日本広告審査機構」の英文名「Japan Advertising Review Organization,Inc.」通称、JARO。
JAROってなんじゃろ~?
なんてCMが昔流れていましたが、誇大広告を取り締まる機関な訳です。

広告ですら、こうした取り締まり機関があるぐらいそれだけ作られた情報というのはある訳ですが、マーケティングも作ろうと思えば、いくらでも作れてしまうという点は同じです。

実は、詐欺とマーケティングはかなり密接な関係を持っています。
その代表例が、マルチレベルマーケティング。
マルチレベルというと、何となく「マルチ商法」なんて思ってしまいますが、実はマルチ商法の母体は、このマルチレベルマーケティングなのです。
だから、マルチ商法という訳で手法はアメリカで派生したマルチレベルマーケティングなのです。

昔、日本ではねずみ講といういかがわしい販売手法が編み出されましたが、基本的構造は同じです。ただ、目的は人を騙すことではなく、純粋なマーケティングなのですが。。。どうしても悪いことを考える人は世の中にはびこる訳で。
そもそも、手法自体は健全なのですが、結局そこに関わる人が健全でないためそうした迷惑な話に発展してしまうのです。

マルチレベルマーケティングとは、

  • マルチ=多面的な
  • レベル=階層
  • マーケティング=商法

つまり、「多面的な階層で物品を流通させる仕組み」という意味で、アメリカで1930年代に誕生した無店舗訪販商法のひとつです。商品の愛用者(消費者)が同時に販売員も兼ねるディストリビュータ方式を採用することで独自の販売システムを確立しました。
MLM大手には企業格付ランキングでトップクラスも少なくありませんし、健全な経営を行っている訳です。

このマーケティングは、独自のネットワークを作ってそのネットワークを使って販売活動を行うというもので、資本は店舗を構えるほどかからず割と参入しやすいという面もあって、主婦層に人気が出る訳です。

ともとも、商売っ気のある人はたいていがお金儲けをしたいと心底思っている場合が多く、儲け話にはたいてい耳を傾けます。そうした心理をうまく利用して自分だけ私腹を肥やそうとすると詐欺になってしまうのです。
多分、騙される方も悪いのでしょうが・・・。

MLMの老舗は、その多くはアメリカで派生し、全世界に広がりを見せています。元々店舗を持たないという販売スタイルなので、物流が可能であれば、どこでも商売はできるというメリットがあります。後は、需給バランスですが。
MLMの大手企業で取り扱っている商品は、かなり高品質のものも多く、ユーザは大体リピーターになるケースもあります。もちろん、こうした高品質のものを提供できる裏側は、宣伝広告費を最小限に押さえているからできる訳ですが、こうした謳い文句もちゃんとした製品を提供できれば、問題ありませんが、粗悪品を平気で提供するところもあるのです。
なので、危険性があると言われています。また、元々の仕組みは店舗を持たないフランチャイズというものなので、結局は商品を自分で購入しなければならず、在庫を抱えるが実際は一つも売れなかった・・・。という話にもなりかねません。
売れる人にだけ品物を卸すと言うのであれば、問題は何も起きないのかもしれませんが、営業力のない人が、儲かるという話だけで乗っかってしまうと、痛い目にあってしまうのです。

もちろん、それはコンビニのフランチャイズでも同じで、脱サラしてコンビニの店長に落ち着くという人は、大抵失敗します。なぜなら、サラリーマンでも満足に稼げない人が、ほかの仕事でなんとかなるはずは、ないのです。

結局、営業力も販売力も無いのに在庫がある状況。これが、人を追いつめてしまうのでないだろうか?ということですが、そうして人を騙してモノを売っても、得られるのは僅かばかりのお金と、訴訟だけです。

店舗を持つことはそうした意味で、卸会社にある程度信用を与えるという意味では必要なことですし、店舗を持っていないと、商品を卸してもらえない場合のほうが多いです。また、厳しいところだと、実績や決算書まで見せなければならないような所もあります。
商品を提供する側も、結局は販売店との関係ではなく、その先にいるエンドユーザとの関係を意識している訳ですし、ブランディングにもこうしたところは影響してくるので、細心の注意を払っている訳です。

これからも、新しいマーケティング手法が編み出されてくるとは思いますが、どんなにすばらしい手法だとしても、こうした汚名を着せられてしまうと真っ当にやっている人達がかなり迷惑するばかりか、その手法自体取り締まりの対象になってしまい、経済活動を制約してしまわないとも言い切れません。

マルチレベルマーケティングは、「知ってるつもり?ネットワークビジネスの基礎用語」に詳しい。