会社のステージ、経営者特性

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誰も失敗を考えて店舗や会社を作る人はいません。
誰しも成功を夢見て店舗や会社を作るのですが、多くの創業者は作ることに心血を注ぎます。
もちろん、そうした気持ちがなければなかなかできることではないのですが。

以前、親しくさせてもらっている社長が面白話をしていました。

その社長は、高校を卒業と同時に大手ホテルの新規開発事業部で、数年間新しいホテルの開発に携わり、その後アメリカでパートナーを見つけハワイですし屋を開いたそうです。
そして、日本に戻ってきてからは地元で喫茶店を始め、その傍らでケーキの製造をしていたそうですが、ケーキの製造が軌道に乗って一時期年商3億円以上の規模までいったそうですが、結局今は、機械製造のケーキをやめて手作りでケーキを作っています。

この経歴を見るとなかなかすごいと思いますが、アメリカでは会社を作る人、会社を大きくする人、会社を守る人というように経営でもその道のプロがいるらしいです。会社を作る人は、会社を作ってから他人に売ることで利益を得て、会社を大きくする人は買った会社をまたそれ以上に大きくして、安定経営が得意な人に売るという形で、会社が転売されていくといいます。中には、再建が得意な人もいます。日産のゴーン社長はどちらかというと再建肌です。

その社長は、「自分は会社を作るほうの社長だから、常に新しいことをしてなければだめだ」といっていました。

実は、会社存続鍵はこうしたステージにあった経営特質を持った人材をいち早く見つけそして育てることだと、GEのジャック・ウェルチ元会長も言っていました。しかし、会社の状況とそうした人材を見つけるのは非常に困難を極めます。

前の会社が人材系だったため、企業内特性を図るプログラムを作ったことがあります。内容は簡単なアンケートに答えていくとその人が、どういった企業に適しているのかを見れるというものでした。今もプログラム自体は持っていますが、修正箇所も多く使用はしていません。しかし、こうした意思決定の材料が少しでも多ければ雇う側、雇われる側双方にメリットがあると思います。特に人材の紹介などでは、どの企業にどんな人が合うのかといったことは、コーディネーターのセンスによるものがたぶんに多いと思われますが、(実際人材会社の営業は女性が圧倒的に多いのは、この点が大きく関係していると思われます)センスだけで片付けてしまうと汎用性がなく説得力にも欠けます。

会社の成長には、草創期、成長期、安定期という形で多き分けて3つあるといわれています。私たちがよくベンチャー企業というものは、草創期にある会社のことをさします。草創期は、社長だけもしくは従業員3名未満といった立ち上げ当初に見られる組織体で、この時期が社長としては一番苦しい時期です。自分で動かなければならない部分と経営の部分とを両立させなければならないため、それこそ、寝る時間もありません。ここで、社長が手を抜いてしまうとそのままの規模で先に勧めない状況になってしまうのか、もしくは倒産します。3年以内に倒産する企業は草創期をおろそかにした経営者の責任です。

成長期に入ると、人の出入りが激しくなります。ここまで来ると社員が多少増えるので社長の負担も減りますが、それでもまだまだ大変です。ここで大きくしていかなければ、会社の成長は止まってしまうか減退してしまうからです。新しい人が入れば、旧い人が辞め、また新しい人を入れれば、次に旧い人が辞めて行くということが、ある一定期間続きます。会社の成長度合いにもよりますが、急成長しているところはそれが激しいです。
私自身も、草創期メンバーだったためこの時期で会社を辞めました。それまで会社の中核メンバーだった人(私の上司)が辞めたことによって一気に草創期メンバーはいなくなっています。別れはつらいですが、その流れは止められません。
逆に、草創期メンバーが居続けることによる弊害(草創期メンバーは自分が会社を作ってきたという気持ちが多少なりともあるため、新しい人の新しいアイディアをつぶしてしまうこともあります。それによって会社の成長が止まってしまう可能性もあるのです)を考えると、辞めることも会社の為だと思いますし、草創期に馬車馬のように働いてきた人は疲れきってしまっているのです。

すべての中小企業は実は、この成長期段階にあるといわれています。急成長する会社には様々なひずみや人の入れ替えなどが多く、大抵いろいろな問題を抱えています。こうした問題を抑えつつ成長していくことがやはり望ましい成長の仕方かと思います。

安定期は、上場を果たした会社、いわゆる大企業のことを指します。ここまで来ると、仕事はみんながやってくれるのでゴルフにでもいってください。ただし、これだけ大きな企業体になれば会社全体の把握も容易ではありません。1,000人中1人でも不祥事を起こしそれが社会的な問題になった場合、責任を問われるのは経営者です。ですから、会社全体の把握を常にしっかりと行っておかなければならない立場になります。実際、毎日会社の状況を把握することで時間を費やされ会議、会議でゴルフに行く暇などないとは思いますが。またここで手を抜いてしまうと、何か起こったときに大変な騒ぎになるのです。そうしたことを未然に防ぐことがこのステージでは重要となってきます。そして、多くの株主のために会社の成長も常に考えていかなければなりません。ですから、新規事業や新規開発などといった新しいことにもチャレンジしていかなければならないのです。

こうした成長の流れを読むことも今いる経営者にとっても重要なことなのです。